レ軍上原の奮闘を支える41歳の工夫
レッドソックスで4年目のシーズンを迎えた上原浩治投手(41)が好調をキープしている。開幕から7試合無失点。4月19日のブルージェイズ戦では、4失点してゲームをつぶしたが、30日のヤンキース戦では今季初勝利をマークした。ここまで13試合に登板、防御率は3.65と落としたが、チーム最多の9ホールド。許したヒットは4本だけで、田澤と共にチームのブルペンを支えている。昨季は打球が当たって左手を骨折、8月で戦列離脱したが、今季は見事に復活を果たした。 「何かイマイチ、しっくりは来ていない。寒さも多少影響していると思う。フォームも、投げているボールにも納得はしていない。結果は出ているのでそこは良しとして、ビデオを見直します」。4月の段階では、まだ100%納得のいく状態ではないと語っていたが、少ない球数でテンポよくストライクを重ねる小気味好いピッチングは、開幕直前に41歳の誕生日を迎えた今年も健在だ。 キャンプで新たな課題として取り組んだのは、“カット系”の向上だった。レ軍移籍1年目で守護神としてチームをワールドシリーズチャンピオンに導いた2013年は全体の5.5%(ファングラフィック調べ)を投げたが、翌14年は、2.2%、昨年は0.8%と減少気味だった球種。だが、キャンプから磨きをかけた今季は7.0%と一転、頻度が増えている。代わりにスプリットが60.4%から46.8%と大きく使用頻度が減っている。 カットボールとせずに、“カット系”としたのには、理由がある。時速85マイル(137キロ)前後の速くて急激に変化するカットボールと、時速80マイル(129キロ)前後でスライダーに近い軌道で大きく変化する2種類を投げ分けているからだ。「いわゆるカットとスライダーっぽいのがあるけど、自分の中では別の球種という意識はない。握りで投げ分けているだけなので。捕手のサインも1つです」と上原。