“熱発ダウン”していた2団体世界統一王者の井上尚弥が再始動「一瞬、新型コロナかと心配した」と心中告白
「ずっと寝ていたら1日で熱は下がりました」 6日の夜から安静にした結果、1日で症状はおさまり熱も下がった。新型コロナウィルス疑惑もすぐに晴れた。 実は、発熱理由は風邪でもなくオーバーワークによる極度の筋肉疲労からくるものだったという。 「あれは、筋肉疲労からくる発熱。ほんとまれになるんです。筋肉痛がひどくて熱が出たってことです。過去にも2回ほど同じ症状があって風邪じゃないなとはわかっていた」 グアム島キャンプでは熱中症に襲われた。 「走っていて気持ち悪くなった。初めての経験。そんなにグアム島の気温は高くなかったんですが限界を突破していたんでしょうね」 酷暑のグアム島で限界を突破するほどの過酷なトレーニングメニューを自らに課したことで、肉体が「これ以上やるな」の危険シグナルを発信したのである。 「練習に影響はない。限界を突破したことで逆に調子がいいんですよ」 限界を突破したことで、一度は肉体が悲鳴をあげたが、休養を取りリカバリーすると、同時に過酷なトレーニング効果が生まれ、さらなるエネルギーを感じ取ることができているという。 「仮想カシメロ」として、WBSS決勝のノニト・ドネア戦前に呼んだWBO世界スーパーバンタム級6位のアルバート・パガラ、同準決勝のエマヌエル・ロドリゲス戦前に呼んだ同スーパーフライ級12位のKJ・カタラジャの2人が来日。13日から本格スパーリングをスタートさせている。2人は、そのボクサーのスタイルや得意パンチの真似ができるため、絶好の練習相手となっている。 「カシメロ対策は進んでいます」 対策とは? 「カシメロの得意なパンチをどう避けて、どう合わすかのイメージを想像しながら。特に右アッパーを思い切り振ってくる。あのパンチを打てるのはフィリピン人くらいですものね」 世界最速KO記録を持つWBO世界同級王者、ゾラニ・テテ(南アフリカ)を倒したカシメロは、これまでの井上尚弥のキャリアで対戦経験のない荒々しいスタイルである。 「遠くで外すのか、中で外すのか、何が一番いいかは、やってみないとわからない。まずは、1ラウンド目は、いつもと一緒。まずは察知して、そこから。対応できる体を作って、後はリングで感じるだけですよ」 2月8日(日本時間9日)には米国でWBA世界バンタム級正規王者の決定戦が行われ、階級を下げた五輪2大会連続金メダリストでもあるギジェルモ・リゴンドー(39、キューバ)が、リボリオ・ソリス(37、ベネズエラ)を2-1判定で下して、逆2階級制覇を達成。「次はモンスター狩りだ!」と対井上戦に名乗りを上げた。リゴンドーは7回に左のアッパーから左のフックでダウンを奪っているが、ほとんどがディフェンシブな“塩試合”で場内は大ブーイングだった。 井上は「まだ見ていないんです。つまんなかったんですか?」と関心なく、「今はカシメロだけ」と、目の前の試合に集中することを誓った。