鈴木誠也、敗色濃厚の9回に11号3ラン 本拠地ファンの験担ぎ『ラリーキャップ』に応える…ここ6戦3発と復調気配が継続
◇2日(日本時間3日)MLB カブス4―6フィリーズ(シカゴ) カブスの鈴木誠也外野手(29)は地元のフィリーズ戦で11号3ランを放つなど4打数2安打、3打点。直近6戦で3発目と上り調子だ。試合は追い上げも及ばずに敗れ、直近9戦で7敗目。借金「8」(39勝47敗)は今季ワーストを更新した。 5点ビハインドと敗色濃厚な9回無死一、三塁。ホーム観衆は帽子の表と裏をひっくり返し、ツバを後ろ向きにかぶる。そんな験担ぎの『ラリーキャップ(反撃の帽子)』を地元中継局マーキーSNが抜く中、鈴木が右腕ルイスの甘い155キロの直球を捉えた球は、青々と茂るツタに覆われた左中間フェンスをオーバー。スタンド最前列に陣取り、カブスのユニホームに身を包んだ少年ファンがグラブでキャッチし、雄たけびを上げた。 一挙2点差に迫るアーチに、同局のシアンビ実況は「みんな、まだちゃんとラリーキャップをかぶっておけよ!」と大喜び。米ホームランリポートによれば、打球初速169キロ、射出角度40度と高く舞い上がった打球は飛距離117メートルで、この打球が本塁打になるのはメジャー全30球場中この本拠地リグリーフィールドだけという幸運なアーチだった。 捨てる神あれば、拾う神ありだ。鈴木は5月12、13日に計3本の大きな外野フライをフェンス際で好捕された。これらは全てリグリーフィールドならば本塁打だったため、地元紙シカゴトリビューンは「最近の鈴木誠也は信じられないほど不運だ」と嘆息。3つの打球はいずれも「80%以上の確率で長打が見込まれる打球初速98マイル(約158キロ)以上と、射出角度25度前後の組み合わせ」の『バレル』。3本のバレルが全てアウトどころか長打にならない確率は、単純計算で0・8%というアンラッキーぶりだった。
中日スポーツ