年金だけでは暮らせない?70代夫婦世帯の「年金額一覧」と生活費の実態をチェック!貯蓄対策も解説
ここ最近、働く若い世代の中では「自分たちの世代の年金額はどうなるのか」と不安に感じている方が多く見受けられます。 ◆【画像】今の70代は年金をどれだけもらっている?老後の収支は赤字に? そんな中厚生労働省は2024年11月5日、「多様なライフコースに応じた年金の給付水準の示し方について」を発表しました。 これを見ていくと、年金受給額については今の所得金額が大きく関係すること、また会社員なのか、もしくは自営業者なのかといった働き方によっても異なることがわかります。 そして働く期間ももちろん影響しますので、男女差も発生するのが現状です。 そもそも少子高齢化が進行し続ければ年金の原資ともいえる現役世代が少なくなってしまうため、私たちの老後への不安は募るばかり。老後の生活を年金のみに頼るのは少し危険かもしれませんね。 今回は、そんな老後生活について少しでもイメージをつけられるように、老後生活を送っていると考えられる70歳代の暮らしぶりを「年金額・生活費」と「貯蓄額」から確認していきます。 現役のシニア世代の暮らしを理解したうえで、老後資産をどのように準備すればいいのかについてもお伝えします。 ※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
老齢年金受給世帯の約6割が「年金だけで生活できない」
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金や恩給が総所得の100%を占める高齢者世帯は41.7%となっています。 つまり、年金を受給している世帯の約6割が「年金のみでは生活が成り立っていない」ことが明らかです。 では、現在のシニア世代は、毎月いくらの「年金収入」を得ているのでしょうか。 次章では、現在のシニアが受け取っている厚生年金・国民年金の平均受給額を確認していきましょう。
【70歳代】厚生年金と国民年金は平均いくら?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、厚生年金・国民年金の平均受給額を確認します。 ●厚生年金の平均受給額(全体・月額) ・〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円 ・〈男性〉平均受給額(月額):16万3875円 ・〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円 ※国民年金部分を含む ●厚生年金の平均受給額(70歳代限定・月額) ・70歳:厚生年金14万1350円 ・71歳:厚生年金14万212円 ・72歳:厚生年金14万2013円 ・73歳:厚生年金14万5203円 ・74歳:厚生年金14万4865円 ・75歳:厚生年金14万4523円 ・76歳:厚生年金14万4407円 ・77歳:厚生年金14万6518円 ・78歳:厚生年金14万7166円 ・79歳:厚生年金14万8877円 全体の平均は14万3973円ですが、70歳代では平均を上回る金額を受け取っている世代が多いようです。 しかし、個人によって受給額には大きな差があるため、その点には注意が必要です。 ●国民年金の平均受給額(全体・月額) 続いて国民年金も、厚生労働省年金局の同資料より確認します。 ・〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 ・〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 ・〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 ●国民年金の平均受給額(70歳代限定・月額) ・70歳:国民年金5万7320円 ・71歳:国民年金5万7294円 ・72歳:国民年金5万7092円 ・73歳:国民年金5万6945円 ・74歳:国民年金5万6852円 ・75歳:国民年金5万6659円 ・76歳:国民年金5万6453円 ・77歳:国民年金5万6017円 ・78歳:国民年金5万5981円 ・79歳:国民年金5万5652円 上記の厚生年金・国民年金の平均受給額をもとにした場合、平均的な夫婦世帯2人分の毎月の年金収入は以下のように整理できます。 ・夫:厚生年金&妻:厚生年金=月額約27万円 ・夫:厚生年金&妻:国民年金=月額約22万円 ・夫:国民年金&妻:厚生年金=月額約16万円 ・夫:国民年金&妻:国民年金=月額約11万円 現役時代に夫婦が共に厚生年金に加入し、平均的な年金を受け取ることができた場合、月額は約27万円になるでしょう。 ただし、実際はここから税金や社会保険料が差し引かれるため、この金額が十分であるとは言えないかもしれません。 このことからも、年金だけで生活を支える高齢者世帯は多くないことがわかります。 老後の生活では、収入の多さよりも支出とのバランスが重要になります。 次章では、老後の生活費は1ヶ月あたりどのくらいかについて見ていきましょう。