特急「やくも」はどう変わった? 新型車両の投入で快適さも向上!? 普通車指定席料金で座れる“セミコンパートメント”とは
「車上型の制御付自然振り子方式」採用で乗り物酔いが軽減
鳥取県の米子市や島根県松江市、出雲市には観光名所や美味しいグルメが数多くありますが、山陰地方を旅行をする際にぜひ乗りたいのが特急「やくも」です。 【画像】これは乗りたい! 特急「やくも」新型車両を見る(15枚)
特急やくもは、岡山駅から出雲市駅を運行区間とするJR西日本の特急列車です。全席指定で、1日上下15本ずつ、計30本が運行しています。 やくもの歴史は長く、国鉄時代に遡ります。1972年3月15日に、山陽新幹線の岡山駅延伸に合わせ、伯備線経由の特急列車として誕生しました。 1982年7月からは、381系というカーブで車体が傾くことによって高速走行を実現した振り子式車両を導入し、リニューアルを繰り返しながら国鉄時代の車両が使われていました。 長い間活躍してくれていた381系でしたが、サービスレベルやさらなる輸送品質の向上のために、2024年4月6日に新型やくもがデビュー。 新型やくもの型式は237系といい、JR西日本、鉄道総合技術研究所、川崎車両の3社が「車上型の制御付自然振り子方式」を共同開発し、快適性が向上した車両です。 あらかじめ登録されているデータを元に、最適なタイミングで車体を傾斜させるため、乗り物酔いが軽減するといった乗り心地が改善されています。 他にも、各車両に空気清浄機、全席にコンセントを設置、車内Wi-Fiも完備なので、居心地の良さも大幅に上がっています。 さらに、新型やくもはデザイン性にもこだわり、車体カラーは沿線の自然や文化をコンセプトにした「やくもブロンズ」というオリジナルカラーを採用しています。 「やくもブロンズ」とはうこん色、黄金色、銅色、赤銅色という4つのカラーをベースにして作ったものです。 そして、インテリアのコンセプトは我が家のようにくつろぐことができる温かみのある車内となっています。 普通席の座席デザインは沿線の山々をイメージした緑色ベースに、古来から神事に用いられる「麻の葉」模様を使い、沿線の自然を演出。 さらに、新幹線と同じ座席感覚、高さを調整できる可動枕、ホールド感のある背もたれで、座り心地の良さを実現しています。 グリーン席の座席デザインは、明るく広々と感じる黄色をベースに、富と長寿の象徴とされる亀の甲羅をイメージした「積石亀甲」模様を用いて、山陰の文化を演出しました。