トム・ヒドルストン

　世界最高峰のエベレスト初登頂を果たしたネパール人シェルパのテンジン・ノルゲイとニュージーランド人の登山家エドモンド・ヒラリーの実話を描く映画「テンジン（原題）」を、アップル・オリジナルフィルムズが製作することが分かった。ヒラリー役はトム・ヒドルストン（「ロキ」シリーズ、「キングコング　髑髏島の巨神」）が演じる。 　同作は、人類初のエベレスト登頂をかけた1953年の英国・エベレスト探検隊による大挑戦ノルゲイの視点で描く。ノルゲイは過去6回の挑戦を経て、最後のチャレンジとして遠征隊に参加。映画では、登山のすべてを通して、ノルゲイがユーモアや温かさ、そして仲間の登山家に対する寛大さだけでなく、聖なるチョモランマに対する深い尊敬と敬意を持って、人類初の偉業を成し遂げる過程を描いていく。 　テンジンのキャスティングは現在進行中。英国・エベレスト探検隊の隊長ジョン・ハント大佐役をウィレム・デフォー（「永遠の門 ゴッホの見た未来」「ライトハウス」）が演じる。「LION ライオン 25年目のただいま」のルーク・デイビスが脚本を執筆、ドキュメンタリー映画「クレイジー・フォー・マウンテン」のジェニファー・ピードン監督がメガホンをとる。米バラエティによれば、ピードン監督はシェルパ・コミュニティについてのドキュメンタリー映画「シェルパ（原題）」の製作を通してノルゲイ一家と以前から交流があるという。 　本作は、カンヌ国際映画祭のマーケット3日目にして成立した大型案件の一つ。プロジェクトを獲得したアップルは、「競争的な状況」を勝ち抜いてビッグタイトルを手に入れた。プロデューサーは、脚本家のデイビス、ピードン監督のほか、See-Saw Filmsのリズ・ワッツ、エミール・シャーマン、イアン・キャニング、デスレイ・アームストロングが務め、製作総指揮にサイモン・ギリス、デビッド・ミショード、テンジンの息子ノルブ・テンジンが名を連ねる。 　ちなみに、ヒドルストンはアップルの新ドラマ「The White Darkness（原題）」で、2016年に世界初の単独・無支援での南極徒歩横断に挑んだイギリス人冒険家ヘンリー・ワースリーを演じる予定。「テンジン」で演じるヒラリーは、エベレスト登頂後には南極横断遠征隊に参加し1958年に南極点到達も果たしている。