圧巻の6ゴール!スタイル貫いた聖光学院が野辺地西下し3年ぶりのプリンス東北復帰
高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2023プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)が12月17日、Jヴィレッジにて2試合行われた。第2試合は福島県リーグ1位の聖光学院と、青森県リーグ2位(1位の青森山田サードは、プリンスリーグ東北にセカンドが参入しているため出場できない)の野辺地西が対戦した。 【フォトギャラリー】 聖光学院 vs 野辺地西 試合のペースを握ったのは聖光学院だった。6分右サイドでボールを受けてカウンター攻撃を仕掛けたFW吉田友樹(3年)がそのままゴール前まで駆け上がりゴールを決めて先制に成功した。その後野辺地西も決定機はつくるが、聖光学院キャプテンDF鈴木悠真(3年)を中心とする守備は堅く、得点を奪えない。そして36分ペナルティエリア内に進入しようとした聖光学院FW渡邉陽路(3年)が倒されてPKを獲得。渡邉は落ち着いてPKを決めて前半は2-0と聖光学院リードで終えた。 後半は聖光学院がさらに攻撃のギアを上げて行く。48分右サイドから流れて来たボールが逆サイドの渡邉に渡り、シュートを決めて3点目。53分にはコーナーキックのチャンスから鈴木のゴールが決まって4点目。63分にも渡邉がゴールを決めて、ハットトリックを達成する。直後の65分にも吉田のゴールが決まり、大量6点のリードを奪った。 大量失点してしまった野辺地西だが、最後に意地を見せた。84分FW堀田一希(2年)がゴール前で仕掛けてPKを獲得。DF池田汐凪(3年)がPKを決めて1点を返すが反撃もここまで、圧倒的な攻撃の破壊力を見せた聖光学院が6-1で勝利し、3年ぶりのプリンスリーグ東北参入を決めた。 完勝だったが、聖光学院山田喜行監督は「野辺地さんの5年連続ここで負けた悔しさ、そして27年間青森を制した青森山田さんに負けた悔しさ、それでもひたむきに頑張っているチームで脅威でした」と相手をリスペクトして戦った。そして「選手たちが聖光スタイルを貫いてやってくれました。まず相手のサッカーを消す。そして隙を奪う。吉田友樹がカウンターを取ったり、渡邉陽路がPKを取ったりしたところはそれがうまくできました」とこれまで積み上げてきたことを忠実に選手たちが実行してくれたと振り返る。大一番でハットトリックを達成した渡邉は「昨日点が取れず悔しい思いがありました。今日は点を取ってやろうと思って試合に入って、ハットトリックできて良かったです」と東北生文大高戦でノーゴールに終わった悔しさを力に変えた。 3年ぶりとなるプリンスリーグ東北に向けて山田監督は「聖光学院の歴史と伝統を継承し、守備からきちんとやって、東北トップレベルに挑みたいです」と意気込みを語った。プリンスリーグ東北で戦う後輩たちに向けて渡邉は「聖光学院というチームでやるサッカーは、仲間のために走るサッカーです。チームのために、周りのために戦ってほしいです」とエールを送った。 今回もプリンスリーグ東北参入が叶わなかった野辺地西三上晃監督は「前半最初の失点や、2失点目のPKなどはわれわれのミスからで、これでゲームプランが崩れてしまいました。前後半の入りは気持ちを入れていこうと言いましたが、強度のある速い攻撃に対応しきれず失点しました」と敗因を語った。「また1年後チャレンジできるように頑張ります」と語った三上監督。来年こそ今大会で悲願のプリンスリーグ東北参入を達成すべく、プレー強度をさらに高めていきたい。 (文・写真=小林健志)