人種差別疑惑も処分なしのアチェルビへ…ナポリDFジェズス「彼を守ったら否定されて僕がうそつきに」
ナポリに所属するブラジル人DFフアン・ジェズスが27日、ナポリ近郊のカセルタで行われた人種差別撲滅に関するイベントに出席した際、インテル戦における人種差別疑惑騒動を振り返った。イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が伝えた。 今年3月に行われたセリエA第29節インテル対ナポリ戦の試合中、フアン・ジェズスは、インテルDFフランチェスコ・アチェルビから「ネグロ(黒人に対する蔑称)」と呼ばれたと主張して主審に人種差別被害をアピール。主審の仲裁により和解したとみられたが、試合終了後の両者の意見が食い違い、騒動に発展した。 インテルDFは10試合出場停止の重い処分が科される可能性があったものの、人種差別発言を完全否定。イタリアのスポーツ裁判所は証拠不十分として調査を打ち切った。おとがめなしとなったアチェルビはその後もピッチに立ち、インテルの20回目のスクデット獲得が決定した第33節のミラノダービーにおいても先制点を挙げ、歓喜の瞬間を味わった。 ナポリDFは、改めてアチェルビとの騒動を振り返ると、自らの心境を明かした。 「僕のキャリアはクリーンで騒動を起こしたことはなかった。だから試合中、水に流そうと考えたんだ。僕が彼とは違って常に良い振る舞いをし、何も問題がなかったことは、自分のキャリアが物語っている」 「いろいろあったが、僕は彼を守ることにしたんだ。それなのに彼に否定され、僕がうそつき呼ばわりされるなんて、納得がいかなかった。しかしいまは、慈悲のヴェールで包んで忘れ去りたい。僕は子どもたちにとって模範でありたいからね。2024年にもなって議論するべきですらないくだらないことを話している。僕らはみんな同じ人間なんだ」