地域で愛される「かあちゃん弁当」 地震の影響で長い休業もようやく復活 お客さんに笑顔が戻る
能登半島地震の被災地・石川県輪島市三井町で、地元の主婦たちが1人暮らしの高齢者などに手作りのメニューを提供する「かあちゃん弁当」を4日再開させました。再開を待ち望んだ地元の人や高齢者宅などにおいしいおふくろの味を届けました。 【写真を見る】地域で愛される「かあちゃん弁当」 地震の影響で長い休業もようやく復活 お客さんに笑顔が戻る 能登半島地震の影響で大きな被害を受けた輪島市三井町。かつて広場だった場所には仮設住宅が建ち並んでいます。仮設住宅からほど近い保育所で、「お母さん」たちは早朝から慌ただしく動きます。 三井町では、地元の主婦らが1人暮らしの高齢者らへ弁当を販売する取り組みを2019年から行っています。地元では「かあちゃん弁当」の愛称で親しまれています。そのメンバーたちが、地震後再び集まりランチや弁当の配達サービスを、4日から再開しました。 「かあちゃん弁当」を作る厚木洋子(ほうのき ようこ)さん「この三井にスーパーもないしお弁当屋さんもないし、仮設の人たちのちょっと役に立てるかなと。1人暮らしの人もそうだし。そんな感じで頑張ってみようかなって」 地震が起きるまで使用していた店は地震で全壊しました。今は保育所の調理室を借りての再開ですが、不慣れな場所とあって調理場はてんやわんやです。 かあちゃん弁当には、地元の米や野菜がふんだんに使われています。 復活した初日のメニューは、シイタケやタケノコの煮しめにトリの唐揚げなど、とても700円とは思えないほどボリューム満点です。 弁当は、注文を受けた地元の会社や高齢者宅に配達するほか、保育所を訪れた人には輪島塗のお椀などに盛り付けランチとしても提供されます。 訪れた人「めちゃくちゃおいしいです。やっぱりおいしいなって感じますよ」「みんなでごはん食べるって大事やと思うので、こういう場所があったら、元気出るかなと思うのでめっちゃ良いかな」「三井の女は強い!どんな難しいことがあっても」 地震からの再開に苦労したメンバーたちですが、訪れた人の笑顔で元気をもらいます。 厚木洋子さん「ほっとしている。やっと再開できたなと毎日毎日気になって。みんな早くしてって感じだったから、心の負担にはなっていたけどきょう再開できてうれしい」 坂下信子さん「自分たちも被災したけどみんな頑張って。お店もないし、買い物にも行けないし仮設の人たちも総菜でもしたいなと思っている。皆さんの笑顔がおいしかったってその一言だけでも、頑張りたいなと思う」 ふるさとへの恩返しという想いも込めて再開した「かあちゃん弁当」は、週3日間営業する予定です。
北陸放送