【every.しずおか年末SP・交通インフラ】リニア新幹線最前線 時速500kmと新駅を体感
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
時速500km、品川~名古屋間をわずか40分でつなぐ「リニア中央新幹線」。2027年の開業を目指していましたが、ことし3月… (JR東海 丹羽 俊介社長)「2027年の開業は実現しない。実現できない。」 全体の3%、わずか8.9キロの静岡工区が着工できず、当初の予定を断念。しかし、その直後、工事を認めてこなかった川勝知事が辞任。リニア推進派の鈴木知事になると、トンネル工事に向けた県内でのボーリング調査も認めるなど、ようやく動きが! これまで静岡では動きが感じられなかったリニア新幹線。開発や工事はどこまで進んでいるのか? リニア“最前線”に迫ります! 津川さん・鳥海さんがやってきたのは「JR東海・山梨実験センター」。普段は入れない特別な場所から、時速500キロを体感!! (JR東海 山梨実験センター 古賀俊作 センター長) 「リニアがもうすぐ向こうからこちらに向かって時速500キロで通過します。ここを、1、2秒で通過します。まばたき厳禁でお願いします。」 (全員) 「早いですね」「一瞬」 (航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん) 「思ったよりもうるさくない 」 (古賀 センター長) 「この音は全部時速500キロで空気を切ってるその音だけです」 リニアは、地上のコイルから発生する磁力と、車両に搭載した超電導磁石の力で10cm浮上した状態で走行。 (津川祥吾アンカー) 「技術的にはどうなんですか?もう完成してる?まだまだ?」 (古賀 センター長) 「2017年の国交省の評価委員会の方で、技術的にはもう完成してるという評価をいただいています」 これまでの試験走行は、累計で地球125周分の500万キロに。さらに、現在も1日2000キロ、静岡から台湾まで行ける距離を毎日走っています。 いよいよリニア新幹線の車内へ!! (古賀センター長) 「こちらから青色に見えて、まさにですね今そこに白い車体でブルーの2本のラインが入ってるのが、これからお乗りいただく車両です」 リニアは「ホーム」から直接乗るのではなく、飛行機のボーディングブリッジのような空間を通り搭乗します。 (津川アンカー・鳥海さん) 「何かアトラクションに乗るような ワクワクします」「触っていいそうなんで~飛行機に触るような感じ ここは新幹線と同じ感じ」「あ~なんかこじんまりコンパクトな感じ 幅は狭いけど天井が高いので狭い感じはしない」 そして・・・ (鳥海さん)「飛行機だなこれ」 リニア新幹線は、始めは車輪で走り、ある速度を超えると浮上します。 (古賀 センター長)「あえて何キロで浮くとは言いませんので、ここで浮いたというのを体感してほしい」 発車!! (鳥海さん)「動いた」 (古賀センター長)「これからどんどん速度を上げていきますので」 そして… (津川アンカー)「ここですかね」 (古賀センター長)「157キロなんですね」 (津川アンカー)「音が変わりましたね」 飛行機の離陸のような車輪の振動や音がスーッと消える感じです。 (鳥海さん)「まもなく500キロ 速い速いスゴイスゴイ」 (古賀 センター長)「これが時速500キロです」 (鳥海さん)「映画の世界です」 (古賀 センター長)「全然普通に会話ができる」 (鳥海さん)「全く音がないわけではないが、会話ができるのがすごい」 時速500kmでも、新幹線のような静かさで、車内も普通に歩くことができます。 (鳥海さん)「絶対海外輸出あるでしょうね」「日本が世界ナンバーワンであって日本が常に技術革新をしていく/そういう存在になるのかな」 2人がやってきたのは神奈川県・相模原市にある工事現場。 「こちらの現場は?」 (JR東海 中央新幹線 神奈川西工事事務所 吉川 太郎 担当課長) 「中央新幹線の神奈川県駅の工事をやっている。地下駅で非常に大きな現場で工事している」 (鳥海さん)「津川さん、きょうは工事現場の責任者? 」 (津川アンカー)「私服です。 やる気満々できました!」 実は以前、建設会社に勤務していて工事現場のプロ!早速、リニアの駅が建設中の現場へ。 (神奈川西工事事務所 吉川太郎 担当課長)「こちらが掘削現場」 (津川アンカー・鳥海さん)「深いですね うぉ~~~」 (神奈川西工事事務所 吉川 太郎 担当課長)「一番深いところで約30メートル」 神奈川県駅は品川から最初の駅で、地下30メートルに幅50メートル、長さ680メートルもあります。 (鳥海さん)「この景色はすごいですよね」「最終的には地下駅ですもんね」 こちらでは地下30メートルまで掘って、そこに駅を建設したあと、再び埋め戻され地上部分には道路が作られる予定です。 続いて、ホームを建設中の地下30メートルの地点へ。 (津川アンカー・鳥海さん) 「こちらがリニアが走るところ?「そうですね」 まだベースとなる鉄筋を組み上げている段階ですが、4本あるリニアが走る部分や上下線それぞれのホームの形がわかります。 (鳥海さん) 「ここに時速500キロ同士がすれ違う場所に立っているんですね」 (神奈川西工事事務所 吉川 太郎 担当課長)「相対速度1000キロですれ違う」 さらに奥へ進んでいくとそこには!! (津川アンカー・鳥海さん) 「おぉ~~これは広いですね。これは大きい 響き渡る」 高さ16m幅18mの巨大トンネル!ここは駅と山梨方面に続くトンネルが接続する場所。奥には直径14メートルの赤い大きな丸が!これは、ここにつながるトンネルのサイズで静岡工区もほぼこのサイズ。人と比べるとこのスケール感!! ところで、静岡県民が気になるのは“水問題” (津川アンカー) 「地下水 近所で井戸が枯れたという話はないですか」 「神奈川西工事事務所 吉川 太郎 担当課長) 「駅の工事をしている限りで地下水への影響はない」 しかし、他の現場ではトラブルも。岐阜県のトンネル工事では、近くの井戸の水位が低下し地盤沈下も発生。静岡工区の懸念は、大井川の水の減少。JR東海は工事やトンネル完成後に出る水を全量・大井川に戻す方法を提示し、国の有識者会議も「進め方は適切で、全量戻しすれば中下流域の流量は維持される」との結論に。 番組が行ったアンケートでは、リニア新幹線に関心がある人は55%で、「一度は乗ってみたい」という声のほか「水問題が気になる」など、工事の動向に関心がある人が多くみられました。さらに静岡工区について「工事を始めるべき」は44%だったものの「始めるべきでない」、「回答しない」も、ともに28%で意見が分かれました。こうした“水問題”に関する不安にJR東海は… (JR東海 中央新幹線推進本部 澤田 尚夫 本部長) 「トンネル工事で出てきた水をしっかり戻すことは基本。みなさんがお使いになっている水を減らすことはないと思っている」「直接住民の方、水を使っている方とコミュニケーション取れるような機会をぜひ作っていきたい」 それでは、リニア開通で静岡県へのメリットは? (澤田 尚夫 本部長) 「具体的には『ひかり』や『こだま』本数や停車パターンを変えられる可能性が出てくる」 そして今年、一気に再燃した“空港新駅”については“検討の余地がある”としています。 (澤田 尚夫 本部長) 「正直、現行の東海道新幹線の中で新たな駅を作ることは、技術的にも難しいところはあるが、まずは考えをしっかり伺った上で、何ができるのか考えていきたいと思っている」 視聴者アンケートでも「よくわからない」という声が多かったリニア問題。正しく理解してもらうためにも、JR東海にはわかりやすく丁寧な説明が求められます。