Wormhole、ネイティブトークン転送のための新フレームワーク発表
Wormholeがネイティブトークン転送のための新しいフレームワークを発表
クロスチェーンプロトコル「ワームホール(Wormhole)」が、「ネイティブトークン転送(NTT:Native Token Transfers)」用の新たなオープンフレームワークを3月1日に発表した。 「NTT」は、異なるブロックチェーン間でネイティブトークンを直接、安全かつ効率的に転送することを可能にする機能だ。 「ワームホール」によると「NTT」の新たなフレームワークを利用することにより、開発者は自身の発行するトークンに対し、同機能の実装が簡易にできるようになるという。 これにより開発者は自身が発行するトークンを、複数のブロックチェーンプラットフォーム上でネイティブの規格のまま自由に移動させることができるため、流動性とアクセシビリティが大幅に向上するとのことだ。 ただし、この新たなフレームワークの詳しい仕様については現状で公開されていない。 一般的にブロックチェーンを跨いだトークンの転送には、「ブリッジ」という技術が利用される。この「ブリッジ」では、サービスを提供するプロトコルのスマートコントラクトなどに元のチェーンのトークンをロックするなどをしたのちに、転送先のブロックチェーンで、プロトコルが用意したコントラクトで元のトークンに紐づいたトークンをミントすることで転送が実装されている。 ただし、この設計ではスマートコントラクトをカスタマイズできないため、転送後のトークンの機能が制限されてしまうことや流動性が分散し断片化してしまうという問題がある。 「ネイティブトークン転送」では、このブロックチェーン間でのトークン転送をシームレスに行えるようにし、流動性の断片化を防ぐだけでなくネイティブ仕様のまま転送ができるため、スマートコントラクトのカスタマイズが可能となり自由に機能を追加できるようになるという。 同フレームワークはすでに「ワームホール」の独自トークン「W」、「リドファイナンス(Lido Finance)」の「wstETH」、「パッファ―ファイナンス(Puffer Finance)」の「pufETH」、「イーサファイ(ether.fi)」の「eETH」、「パイクファイナンス(PikeFinance)」の「PIKE」に適用されているとのことだ。
田村聖次(幻冬舎 あたらしい経済)