自転車競技用のヘルメットに新風。規制ギリギリのデザインでどうなるか
人間をより流線型にするヘルメット。 自動車でも新幹線でも、速く走る乗り物であればあるほど、風の抵抗を極力受けないよう尖ったり丸く流線型になります。その考え方は自転車も同じ。 【全画像をみる】自転車競技用のヘルメットに新風。規制ギリギリのデザインでどうなるか 車輪やフレームやハンドルバーは飛行機の翼のように平たくなり、風を切る形に作られています。その考えは、人間が被るヘルメットも然り。
初代から38年
1986年にデビューしたGIRO(ジロ)の自転車レース用ヘルメット「Aerohead」は、着用したグレッグ・レモン選手をツール・ド・フランス優勝に導いたことで知名度が上がり、今では市販されています。 それが38年を経て第2世代の「Aerohead II」へと進化。オランダのチームTeam Visma | Lease a Bikeが提携し、各選手に合わせたヘルメットが次のシーズンから使用されます。
砲弾型ヘルメットで風を流す
「Aerohead II」は大きなバイザーで視界が広いのと、前後に長くて指の第1関節みたいなデザインになっているのが特徴。 ですが前傾姿勢で祈るように両腕をハンドルバーに置くような姿勢になると、ヘルメットが風を身体全体に流れるようになります。また従来型より大きくなったので、頭を保護する安全性も高まったとのことです。 この投稿をInstagramで見る Team Visma | Lease a Bike(@teamvisma_leaseabike)がシェアした投稿 選手たちは最初、このデザインに戸惑ったのだそうですが、何度か行ったテストで効果が見られたので、皆が納得したのだとか。
UCIは認めない?
GIROはこのヘルメットをUCI(国際自転車競技連合)の規制範囲ギリギリで開発したと謳っていますが、UCIは「詳しく分析する」と歓迎していないようです。 それは安全性よりタイムを縮めるパフォーマンスを重視したデザインだから、というのが理由。違反しないよう作ったはずなのに、どうなりますかね。 この投稿をInstagramで見る Team Visma | Lease a Bike(@teamvisma_leaseabike)がシェアした投稿
人間をエアロダイナミックにする理由
自動二輪なら車体のカウルで空気抵抗を減らすのに、自転車レースだとそれが人間の役目になるのがおもしろい違いです。 軽さが重要な自転車レースの世界では、余計なエアロパーツは重くなるからあまり使われません(ルールの問題もあるし)。だからこそヘルメットでしのぎを削るわけですね。 Source: Team Visma | Lease a Bike (1, 2) , Instagram, GIRO via NEW ATLAS, VELO, ロードバイクはやめられない
岡本玄介