トランプ氏、マスク氏らを政府の効率化担う新組織「DOGE」トップに指名 2026年7月4日までの期間限定
トランプ次期米大統領は12日、実業家イーロン・マスク氏と共和党の大統領候補指名争いに参加したビベック・ラマスワミ氏が政府効率化を担う新たな政府機関を率いると表明した。またトランプ氏は、中央情報局(CIA)長官に、自身の1期目に国家情報長官を務めた側近のラトクリフ氏を、国土安全保障省長官にサウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事を、国防長官にFOXニュース・チャンネルの司会者ピート・ヘグセス氏をそれぞれ起用すると発表した。 トランプ次期米大統領は、実業家のイーロン・マスク氏に新政権でのポストを与えるという約束を守った。 トランプ氏は声明で、マスク氏と共和党の大統領候補指名争いに参加したラマスワミ氏が政府効率化を担う新たな政府機関を率いると表明した。そのうえで「私の政権が官僚主義を解体し、過剰な規制を削減し、無駄な支出を減らし、連邦政府機関を再編する道を(両氏が)切り開くだろう」と述べた。 これは、選挙戦でトランプ氏を支えた民間人2人への「恩賞」と言える。 電気自動車メーカーのテスラ、ソーシャルメディアのX、宇宙開発会社のスペースXを率いる世界一の富豪マスク氏は、トランプ陣営に数百万ドルを献金したほか、選挙集会にも参加した。 新組織「Department of Government Efficiency」の短縮形は「DOGE」で、マスク氏が推進する暗号資産「ドージコイン」と同じ表記。マスク氏はSNSへの投稿で、新組織について「民主主義への脅威?いや、官僚機構への脅威だ!」と述べた。 ラマスワミ氏は製薬会社の創業者で、選挙戦から撤退した後、トランプ氏を支持した。 トランプ氏は、両氏の任務の期限を2026年7月4日とした。1776年の独立宣言採択の250周年を同日に迎える米国にとって「贈り物」になるだろうと述べた。 一方トランプ氏は12日、米情報機関コミュニティ元トップで盟友のラトクリフ氏をCIA長官に指名した。 ラトクリフ氏は政権1期目の国家情報長官を務めた後、トランプ氏の政治思想を支持するシンクタンクの共同議長に就任した。今年の大統領選挙中には、国家安全保障政策についてトランプ氏に助言を行った。 このほか、サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事を国土安全保障省長官に指名した。トランプ氏に忠実なノーム氏は不法移民に対して強硬な姿勢を取っているが、国家安全保障政策の経験はほとんどない。 さらにフォックス・ニュースのコメンテーター、ピート・ヘグセス氏を国防長官に指名した。 退役軍人であるヘグセス氏は、国防総省幹部の、いわゆる「覚醒(ウォーク)」政策に嫌悪感を示している。ヘグセス氏は、軍の多様性に関して進歩的な方針を推進しているとトランプ氏が非難する将官たちを、軍から排除するという公約を果たす可能性がある。 *本文表記を一部修正して再送します。