「機動戦士ガンダム」語り継がれた伝説回 後に映画化もされた“ほっそりザク”の元ネタをもう一度
“あれ?なんか痩せてね?新型?”と誰もが思わず感じてしまうほど、ほっそりしたザクが登場したのをご存知だろうか。地球連邦軍からの緊急信号をキャッチしたホワイトベースは、アムロ・レイ(CV:古谷徹)をコアファイターで発信元の島に向かわせた。そこでアムロが目にしたのは、後にファンにネタとして語り継がれることになる異形のザクだった。 【映像】普段とは見た目が異なるドアンのザク(6分8秒ごろ~) アムロたちがガンダムの空中換装訓練をしていた最中、ホワイトベースは地球連邦軍空軍からの緊急信号を受信した。距離が近かったこともあり、アムロがパトロールで現地に向かうことになった。 信号が発信されたポイントに到着したアムロは、武器を奪われ、生きたまま戦闘機のシートに縛り付けられているパイロットを発見した。状況を理解しようと考え始めたそのとき、突如岩陰から小岩が投げつけられた。投げつけたのは小さな子どもたちで、彼らは「兵隊なんか来るな!」「さっさと帰れ!」「早くこの島から出てって!」と軍人への強い憎しみを露わにしていた。 さすがのアムロも、相手が子どもでは反撃するわけにもいかず、コアファイターまで逃げ戻るしかなかった。さらに子どもたちが「あの戦闘機も壊しちゃえ!」と行動をエスカレートさせようとした瞬間、「やめるんだ!」とそれを制止する声が響いた。そして姿を現したのは、なんとザクだった。 ザクの登場に「しまった!」と焦るアムロとは対照的に、子どもたちは笑顔でザクに駆け寄った。ところで、そのザクの姿はこれまでのザクとは明らかに違っていた。どこかやせ細っており、見るからにシュッとしている。実はこのザクは新型でも改造機でもなんでもなく、今で言う“作画崩壊”というか、“ただのザク”だった。 この異形のザクの登場は、当時の視聴者に大きな衝撃を与えた。そのユニークさから今日まで語り継がれてきた特別な存在となっている。「機動戦士ガンダム劇場版3部作」では残念ながらこのエピソードが登場することはなかったが、ファンの間で長く愛され続けてきた結果、この異形のザクがリファインされる形で2022年6月に劇場版「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」が公開されている。 アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったものの、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれるなど空前のヒットに。現在に至るまで数多くのシリーズやスピンオフなどの派生作品が制作され、高い人気を誇る。 (C)創通・サンライズ
ABEMA TIMES編集部