シタデル、コモディティー事業で利益40億ドル-全般の低迷物ともせず
(ブルームバーグ): 資産家ケン・グリフィン氏率いる米ヘッジファンド運営会社シタデルのコモディティー事業が今年、約40億ドル(約5982億円)の利益を上げたことが事情に詳しい関係者の話で分かった。コモディティー取引がウォール街全般で低迷する中、天然ガス取引をけん引役に昨年並みのパフォーマンスを確保する見込みだ。
シタデルの旗艦ファンド「ウェリントン」の1-11月のリターンは約13.2%だったという。シタデルの広報担当者はパフォーマンスについてコメントしないと答えた。シタデルの運用資産は11月1日時点で650億ドル。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)とロシアによるウクライナ侵攻を背景に長期間にわたって不安定だった状況が落ち着きを見せ始めたため、特にエネルギー関連のトレーディング利益は業界全体で低迷している。
これにより、スイスの資源商社グレンコアや商品取引会社ガンバー・グループなどの企業のほか、石油トレーダーのピエール・アンデュラン氏のヘッジファンドなども打撃を受けている。
シタデルのコモディティー部門の利益は好調さを維持している。利益は昨年に40億ドル余りだったほか、2022年はその約2倍を計上していた。
シタデルの原油および燃料取引事業は、ヒューストンを拠点とするチームのパフォーマンスが低迷し、ポートフォリオマネジャー兼燃料トレーダーのドリュー・ビーバー氏が退社したことで、今年に入り幾つかの課題に直面している。
しかし、欧州および北米における天然ガス取引の堅調な伸びが最終的に利益を押し上げたと、関係者が非公開情報を理由に匿名でコメントした。
原題:Citadel Defies Commodities Slump to Rack Up $4 Billion in Gains(抜粋)
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Sridhar Natarajan, Nishant Kumar, Devika Krishna Kumar