四十住さくらの2連覇なるか。金メダル候補が粒揃いの「パリ2024オリンピック」スケートボード・女子パーク種目の見どころ
そして優勝候補の一角として急激な成長を遂げて今大会を迎えるのはオーストラリアのアリサ・テルー(世界ランキング2位)。直近で行われたOQSの2大会ではどちらも優勝するなど完璧に自分の状態を今大会に向けて調整しており一番の金メダル候補ともいえる。彼女はバーチカルも得意とすることから、その強みを活かした横回転系のトリックはレベルが高く非常に評価されている。 そんな中でも特に注目なのは難易度が高いにもかかわらず、高い完成度を誇る「バックサイド540」や「マックツイスト」、そして女子ではあまり取り入れられていない「スイッチバックサイドメロングラブ」や「スイッチフロントサイドエアー」などスイッチトリックも持っている。きっと今大会でもオリンピック専用に用意してきた新技も用意していると考えられるため、彼女のランは見逃せない。
そんな彼女たちを横目に虎視淡々と今大会の金メダルを狙うのが世界ランキング1位の開心那だ。東京オリンピックでは銀メダリストとなった彼女はその後も強さを見せ続けた彼女がコンスタントに好成績を残し、OQS2024上海大会後の時点で代表権を確保した。 開の得意とするのはグラインド系のトリック。コーピングを活かして長い距離を流す「バックサイドノーズグラインド」、「フロントサイドスミスグラインド」、そして「フロントサイドスミスストール」とコーピング際のトリックの完成度は圧巻。新バリエーションなども含め最高のライディングを披露し前回よりも良い色のメダルを獲得することはできるのか。
そしてもう一人、日本人選手勢で忘れてはいけないのが今回オリンピック初出場となる草木ひなの(世界ランキング5位)。OQSの2戦では自身の思うベストなライディングはできなかったものの、昨年のアジア選手権では優勝そして同年の世界選手権では準優勝を収めるなど、オリンピック予選大会では全体を通してコンスタントに成績を残し、日本人最後の3枠目をなんとか確保した。 そんな草木の注目トリックは一際スタイルが目立つ「バックサイド540」だ。他の女子選手と一線を画しているのはその着地姿勢。他の選手は着地時にしゃがむような姿勢を取る一方で、彼女は次の加速を見据えて立った状態でライディングするのだ。まさに彼女の周りの親しいスケーターたちからの証言にもある通り、女子とは思えない度胸の溢れるライディングが特徴的な彼女は初めてのオリンピックで攻めのライディングを見せてメダルを手にすることは出来るのか。
【関連記事】
- 日本人選手たちの壮絶な代表権争いの行方は。「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 女子スケートボードパーク種目
- 日本人選手たちが好発進!「オリンピック予選シリーズ(OQS)」上海大会 女子スケートボードパーク種目
- 最後の最後までもつれ込んだパリオリンピック代表権争い「オリンピック予選シリーズ(OQS)」ブダペスト大会 男子スケートボードパーク種目
- 壮絶な代表権争いの火蓋が切られた「オリンピック予選シリーズ(OQS)」上海大会 男子スケートボードパーク種目
- 大逆転でオリンピック2連覇を果たした堀米雄斗!スケートボードの魅力が詰まった史上最高の大会「パリ2024オリンピック」スケートボード・男子ストリート種目