先制ゴールとなるPKを決めるドイツ・ハフェルツ（AP）

＜欧州選手権（ユーロ2024）：ドイツ2－0デンマーク＞◇29日（日本時間30日）◇決勝トーナメント1回戦◇ドルトムント 　開催国ドイツ（FIFAランキング16位）がデンマーク（同21位）を2－0で破り、2大会ぶりの8強入りを決めた。 　激しい雷雨に見舞われ、前半35分にゲームは中断した。空には稲光が走り、スタンドの屋根からは滝のように水が地面にたたきつけるほどの事態となった。雷雨が収まると、ピッチに出て両チームの選手はピッチに出てウォーミングアップをやり直し。試合ストップから24分26秒後に再開となった。 　思いがけぬ嵐に水を差された中、試合は後半に動いた。 　後半6分、左サイドバックのラウムがクロスボールを入れた際にデンマークDFアンデルセンが伸ばした手に触れていた。VARがこれを見逃さず、ドイツにPKが与えられた。同8分、FWハバーツが冷静にゴール右隅に蹴り込み、先制点が生まれた。 　さらに後半23分だった。ドイツは細かなパスワークでデンマークを翻弄した後、最終ラインまでボールを戻し、相手の最終ラインが上がったところでDFシュロッターベックが左サイド前方のスペース目がけて縦パスを送る。MFムシアラが素早く受けてゴール前まで独走。デンマークGKシュマイケルと1対1となる中、右足で落ち着いてゴール右隅へと流し込んだ。2－0。貴重な追加点となった。 　この一撃で嵐によって冷えていたホームサポーターは熱気に包まれた。スタンドは総立ちになり、3点目のゴールを期待する声が響いた。さらなる追加点は出なかったが、試合終了のホイッスルにファンは歓喜をあらわにし、選手たちをねぎらった。 　ナーゲルスマン監督は「簡単な試合ではなかった。だがスイス戦（1－1）のような逆境を乗り越え、観客の声援を力にして乗り越えた。チームを誇りに思うし、彼らは自分たちの本当の実力を理解し始めている」とコメントした。近年は大舞台で結果を残せず、ワールドカップでも直近2大会は1次リーグ敗退という憂き目を見る。そんな中、地元開催で伝統国が本来の強さを取り戻している。 　準々決勝ではスペインとジョージアの勝者と対戦する。