小里新農相の横顔 剣道有段者、歴史小説を愛読 農政経験強みに
石破新内閣で農相に就任した小里泰弘氏。衆院比例九州選出で、当選6回。自民党農林部会長や農水副大臣を歴任するなど、豊富な農政経験を強みとする。農山漁村地域活性化担当の首相補佐官として全国各地の農村を歩いた経験もあり、地方にも明るい。 【表で見る】農相の初日に密着 鹿児島3区を地盤とする。1958年生まれの66歳。鹿児島県霧島町(現霧島市)出身で、実家は水稲、茶、葉タバコなどを作る農家という。慶応大学法学部を卒業後、証券会社に勤務。地震対策担当相などを歴任した父・貞利氏の秘書を務め、2005年に初当選した。 党が政権に復帰した12年、党の幹事長だった石破氏の下で党農林部会長に就任。「農業・農村所得倍増目標10カ年戦略」を策定し、環太平洋連携協定(TPP)交渉では、重要な農業品目では関税撤廃をしないとする決議をまとめた。石破氏が会長を務める、党の鳥獣食肉利活用推進議員連盟(ジビエ議連)の設立にも尽力した。 信条は「花に水、人に心」。花に水をやるように、人には心を持って接するという意味。政治家としての座右の銘は「決める。進める。結果を出す」。 小学生で剣道に出会い、有段者でもある。今でも大事な局面では素振りをして精神統一する。アウトドア全般が趣味で特に釣りを好むが、忙しさであまり行けていないのが悩み。船舶操縦免許も持つ。寝る前の読書が習慣で、歴史小説をよく読む。最近の愛読書は司馬遼太郎の「坂の上の雲」。
日本農業新聞