研究され始めた大の里、痛い2敗目 得意の右差し封じられ…出る杭は打てとばかり 5人がトップに並び平幕7人が追う大混戦
大相撲 夏場所9日目=20日、両国国技館 入幕3場所目でさすがに研究されてきた。小結大の里(23)=二所ノ関=が東前頭2枚目の平戸海(24)=境川=に押し出され2敗目。いいところなく敗れ、「ダメですね。また明日から切り替えて頑張ります」とサバサバした表情で話した。 【写真】元横綱稀勢の里・二所ノ関親方と番付表を手にし笑顔の小結・大の里 得意の右差しを平戸海に封じられたのではないかという質問には、「そうなんじゃないですかね」と生返事。入幕以来、立ち合いの圧力から右を差す一気の相撲で快進撃を見せてきたが、今場所は劣勢を強いられる展開も増え、7日目の熱海富士、8日目の大栄翔にはいずれも土俵際の逆転勝ちだった。 出る杭は打てとばかりに、夏巡業などで徹底的に研究されてきたのか。粂川審判長(元小結琴稲妻)は「(相手が)差させないようにするというのはあるだろう。(大の里は)優勝争いが頭にあるのか…。15日間でこういう相撲もありますよ」と精神面にも言及。前日には九重審判長(元大関千代大海)も「私の経験上、だいたいここらへんから優勝を意識したり、周りのことを考える。本人は口には出さないでしょうけど」と解説した。 1横綱、2大関や人気力士が次々と休場したこともあり、高まる一方の注目度が大の里の両肩に、初優勝へのプレッシャーとしてのしかかり始めたのかもしれない。2敗で大の里ら5人がトップに並び、3敗の平幕7人が追う大混戦はどんな決着をみるのか。 (塚沢健太郎)