「ロンブー」亮、「極楽」加藤さんが金髪のきっかけを作ってくれた
ただ、こんな話をすると、加藤さんがすごくお酒を無理強いするような印象を持たれるかもしれませんけど、そんなことは絶対にない。 なんなら、さらに言いますと、自分が後輩に“飯を食わせてやってる”とか“酒を飲ませてやってる”なんて意識は、加藤さんには一切ないんです。後輩の僕が言うのはナニな話ですけど“自分が一緒にいたいから、付き合ってもらっている”というお考えなんです。 今では、僕もしっかりとお酒を飲むようになったんですけど、それは加藤さんや先輩方といるのが楽しくてなんとかずっとここにいたい、その時間を味わっていたいと純粋に思っていたことが、いつの間にか、お酒を強くしてくれたんだと感じています。 お酒の席でもそうなんですけど、すべてにおいて“オレは先輩なんだから、先輩の言うことを聞け”といったトーンが、全くない。いろいろとアドバイスも言ってくださいますけど、あくまでも決めるのはこちら。それをやってうまくいっても「オレが言ってやったからだ」というのもないし、うまくいかなかったとしても「せっかくオレが言ってやったのに」がない。本当に、本当に、そのトーンが微塵もないんです。熱を持って言ってくださるけど、押し付けない。だからこそ、こちらの心に深く染み入るというか、響くといいますか…。できてるかどうかは分かりませんけど、自分も、後輩と話す時にはマネをさせてもらっています。 そもそも、僕が金髪にしたのも、加藤さんの言葉がきっかけやったんです。 デビューから2~3年、僕は髪の毛を伸ばしてロン毛にしてたんです。そんな中、加藤さんとご一緒するイベントで5分くらい遅刻してしまいまして。そうしたら、加藤さんがいきなりイベントのオープニングで「よし、じゃ、坊主にしよう!!そして、切った髪をお客さんにプレゼントしよう!!」と。 ま、いろいろムチャクチャなんですけど(笑)、当時はムチャクチャしてナンボみたいな空気がマンマンだったので、僕も嬉々として髪の毛を切り、それを実際お客さんにお渡ししたんです。 その日はそれでよかったんですけど、そこからは当然毎日丸刈りで過ごすワケで、自分の顔とのバランスを見た時に「これは、小汚いな…」と。そこで、加藤さんにそんな話をしたら「お前、金髪にしろよ!!カッコいいじゃん」とおっしゃったんです。 金髪にするなんて発想は当時の僕にはなかったし、そこまでとげとげしいキャラクターでもないし…とも思ったんですけど、加藤さんの言葉にグッと背中を押されまして、金髪にしてみたんです。「ダメだったら、また黒髪に戻せばいいや」と思って一歩踏み出してみたんですけど、結果、今に至るまで20年近く続いている。この一歩は、加藤さんに言われなかったら、絶対に踏み出していなかった一歩でした。