岡田将生「ザ・トラベルナース」2年ぶりの現場で中井貴一に見せたものとは?
前作終了から2年の間、岡田は朝ドラ「虎に翼」、大ヒット映画『ラストマイル』(公開中)など、さまざまなタイプの作品に参加してきた。「いろいろな役をやらせていただいて、違う目線を持つことができた後で、また尊敬する貴一さんとご一緒させていただけることが、何よりうれしいです」と満面の笑みを見せる。中井は「成長って、役者を40年以上やってきてもなかなか難しいことだとわかっていますけど」と前置きしたうえで、「岡田くんの持っているふわっとした自然体な感じは変わらずに、いろいろな人と出会い、人間として大きくなることが、役者としての成長につながるんだと思います」
「でも逆に僕が、彼ら若い世代から吸収させていただくものは多いんですよ」と中井は続ける。「彼らのほうが、絶対に“いま”を知っていますからね。岡田くんも、一緒に芝居していてセリフの言い方や感情の出し方に『なるほど』『お見事!』と思うことがあります。直接は言いませんけど」と笑う。「え、初めて聞きました。びっくりしてます」と岡田は照れるが、自身も「今回は視野が広がって、ナースの立場というだけでなく、患者さんの目線も感じていて。より細かく芝居を見せていきたいと思っています」と自身の変化を語った。 もう1つ、岡田には大きな変化があるという。「今、疲れがすごくて」と苦笑いした彼は、「前作はむやみにテンションが高かったのか、改めて『歩って、こんなに叫んだり怒ったり感情が豊かだったんだな』と気づきました。全部受けとめてくれる静さんがいるからこそ、そうなっていたんだということが、今回よくわかりました」としみじみ。それは、歩と静の微笑ましい関係性が新たな可能性をみせるということかもしれない。
「続編を作るからには、前回よりも絶対に面白いものにしなければ意味がないと思っています」と中井は今作への決意を語る。「はい!」と強く同意する岡田に、「すべては岡田くんにかかっていると思います」とほほ笑む中井。岡田は「え?」と驚きながらも「僕1人ではなく、貴一さんやみなさんと力を合わせて、緩急をつけながら今回のシーズンの底上げをしていきたいと思います」と宣言した。大ベテランの中井からの強い信頼と、自身の経験に基づく自信。進化した岡田の新たな挑戦は、どんな作品として結実するのか。楽しみに見守りたい。(取材・文:早川あゆみ)