新垣比菜「沖縄に帰りたい、と思った時もありました」…最近4年はシード陥落 6年ぶり復活Vへの道のり
◆女子プロゴルフツアー ヨネックスレディス 最終日(2日、新潟・ヨネックスCC=6339ヤード、パー72) 首位からスタートした新垣比菜(ダイキン工業)が、4バーディー、2ボギーの70で回り、通算14アンダーで優勝した。2018年のサイバーエージェントレディス以来、6年ぶりのツアー2勝目。沖縄出身の25歳。ツアー屈指の人気女子プロが雨の新潟で、うれし涙を流した。3打差の2位は穴井詩(ゴルフ5)、高橋彩華(東芝)、蛭田みな美(ユアサ商事)だった。 逸材がそろう1998年度生まれの「黄金世代」。そのひとりの新垣は、まだ19歳だった2018年4月に早々とツアー初優勝を挙げた。アマチュア時代にツアー優勝した勝みなみ(明治安田)、畑岡奈紗(アビームコンサルティング)に続いて「黄金世代」で3人目の優勝者だった。「黄金世代」の中でもエース格と目され、人気も急上昇した。18年には賞金ランク23位と躍進した。 しかし、その後、成績は徐々に下降。20―21年の統合シーズン以降はシードを手放し、ツアー優先出場権を争う予選会を経ての出場が続いていた。 「勝った翌年(19年)からは『私はダメだな。どうすれば調子を取り戻せるのかな』と思いながらプレーしていました。『沖縄に帰りたい。でも、試合に出なければいけない』と思うこともありました…」と苦しかった心情を明かした。 22年秋から青木翔コーチの指導を受け、少しずつ、ショットが安定していった。「正しく足が使えるようになりました。足が伸び上がらないようにするイメージですね」とスイング修正の一端を明かした。 今大会にはポイントランク1位の竹田麗央(りお、ヤマエグループHD)、同2位の岩井千怜(ちさと、ホンダ)、同3位の小祝さくら(ニトリ)、同4位の山下美夢有(みゆう、加賀電子)、同5位の鈴木愛(セールスフォース)、先週のリゾートトラストレディスを制した同7位の岩井明愛(あきえ、ホンダ)ら多くの上位選手が同週開催の全米女子オープン(30日~6月2日、米ペンシルベニア州ランカスターCC)に出場。優勝争い常連のランク上位選手は不在ながら、新垣は、ツアー有数の飛ばし屋の穴井詩(ゴルフ5)らと熱戦を演じ、大会を盛り上げた。 全米女子オープンでは第3日終了時点で、黄金世代同期の渋野日向子(サントリー)が4位、小祝さくらが6位など健闘している。「自分のゴルフに一生懸命なので、全米女子オープンは、ほとんど見ていませんが、ちょっとはチェックしています。自分も頑張ろう、と思います」と、世界で戦う盟友たちに刺激を受けていることを明かした。 2019年には全米女子オープンに出場し、予選を突破。34位と健闘した。「また、全米女子オープンに行けたら、行きたいですね」と冷静に意欲を示した。 今回の優勝によって、今年は予選会に出場する必要がなくなった。「QT(予選会)を受けなくていいことは良かったです。今年、また、優勝できれば最高です。気持ちのいいゴルフをしたいです」と、新垣は柔らかな笑みをたたえながら話した。 新垣比菜。日本女子ツアーを彩る選手のひとりであることは間違いない。 ◆新垣 比菜(あらかき・ひな) ▼生まれ、年齢 1998年12月20日、沖縄・うるま市。25歳 ▼ゴルフ歴(アマ) 9歳で始め、小学校6年時の2011年にダイキンオーキッドレディスでプロツアーに初出場した。13年、九州女子選手権優勝。15年、沖縄・興南高2年時にプロ下部ツアーのラシンク・ニンジニア/RKBレディースでアマ優勝を果たした。16年、日本ジュニア優勝 ▼ゴルフ歴(プロ) 17年7月、プロテストに一発合格。同年8月、NEC軽井沢72でプロデビュー(予選落ち)。同年は4試合に出場し、2回、決勝ラウンドに進出し、賞金ランク116位。18年からツアーに本格参戦し、4月にサイバーエージェントレディスで初優勝。同年、賞金ランク23位で初のシード権を獲得した。その後、年間ランク(19年まで賞金、20年以降ポイント)は19年27位、20―21年(統合シーズン)59位、22年85位、23年69位 ▼趣味 映画観賞 ▼好きな色 ピンク ▼契約 所属はダイキン工業、クラブはテーラーメイド、ウェアはラルフローレン ▼サイズ 身長165センチ、体重56キロ
報知新聞社