【公演レポート】“バレリーノ”三浦宏規が舞う「ナビレラ」開幕、川平慈英は箱ティッシュ持参を推奨
三浦宏規、川平慈英らが出演する「ミュージカル『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』」が、本日5月18日に東京・シアタークリエで開幕。これに先駆け昨日17日に記者会見とゲネプロが行われた。 【舞台写真】高く跳躍する三浦宏規。 「ナビレラ」は、2016年に韓国で連載がスタートしたWebマンガ。同作は2019年にソウル芸術団によりミュージカル化され、2021年に再演された。同2021年にはNetflixで、「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」のタイトルでドラマ化もされている。本公演では上演台本・演出を桑原裕子が担当。劇中では、若手バレリーノのイ・チェロク(三浦)と、定年退職後、幼い頃から胸に秘めていたバレエを踊る夢をかなえようとする老人シム・ドクチュル(川平)の交流が描かれる。 舞台にはコンクリートのような質感の壁や柱がいくつも立ち並び、それらはところどころ、淡い黄色やブルー、ピンクといったパステルカラーに染まっていた。可動式の壁や柱が動いたり回転したりすることで、ステージはバレエスタジオやロシアの街並みなどに次々と様相を変える。ドクチュルがチェロクの踊りに心奪われる序盤のワンシーンでは、チェロクの軽やかな跳躍がスポットライトに照らされてステージにパッと浮かび上がり、チェロクとドクチュル、2人の出会いがドラマチックに描き出された。 三浦は、指先まで神経が行き届いた、繊細かつダイナミックなバレエを披露。スランプで苦しむチェロクが、ドクチュルと関わることで人生に光を見出す姿を、三浦は生き生きとした表情で演じる。川平は明るくポジティブなドクチュルを、弾けるような笑顔で好演。語りかけるような歌声を聴かせ、ドクチュルの優しい人柄を表現した。またドクチュルの妻役の岡まゆみ、ドクチュルの次男役の狩野英孝による包み込むような温かい歌声や、アンサンブルたちの美しい群舞にも注目しよう。 ゲネプロ前の囲み取材には、三浦と川平のほか、岡、狩野が出席した。幼少期からクラシックバレエに取り組んできた三浦は「バレエを題材にした舞台に出られるのがうれしくて舞い上がって……いろいろな取材で『この役をできるのは僕しかいない』と言いすぎて、自分で自分の首を絞めてしまった」と苦笑い。三浦は「『僕にしかできない!』という気持ちを持ってがんばります!」と決意を口にしつつも「ちょっと、汗が出てきちゃった」と緊張した面持ちで続け、笑いを誘う。上演に向けて三浦は「自信を持ってお届けできる作品に仕上がりました。原作やドラマ版をリスペクトしながら、日本版だからこその“味”を出したい」と言葉に力を込めた。 川平は今回、初めて本格的にバレエに取り組んだという。三浦が「ジェイさん(川平)、めちゃくちゃうまいんです! ピルエットの軸が真っすぐで」と称賛すると、川平は「ハードル上げてるよ!(笑) でもバレエのおかげか腰痛が良くなった」と話す。ドラマ「ナビレラ」を観て「涙がちょちょぎれた」と言う川平は「僕たちも最後はお客様の心をわしづかみにできると思う。箱ティッシュを持って楽しんでください」と笑い交じりに述べた。 岡は「1人ひとりが役にぴったり。三浦さんはもちろん、ドクチュルを演じられるのはジェイさん以外いません。それに英孝さんは心も顔もイケメンだなと、今回再認識しました(笑)。ぜひお客様に楽しんでほしい」と微笑む。 狩野は「皆さんがしっかりお芝居を作ってくれるから、遊びを入れながらのびのびやっています」とコメントする。三浦が、「ジェイさんが『英孝さんの歌が泣ける』と言っていた」と明かすと、狩野は「僕に直接言って!」とリアクション。川平は狩野の勢いに笑いながら「彼の真っすぐな歌にグッときます」と狩野の歌声を称賛した。また三浦は狩野に「僕を“三浦さん”ではなく“宏規”と呼んで」とリクエスト。これを聞いた狩野はためらいながら「……宏規!」と三浦に呼びかけ、記者を和ませた。 囲み取材では三浦と川平が互いについて語る場面も。三浦は「もともとジェイさんの大ファンなので、ご一緒できてうれしい。最初は『恐れ多いな』と思いながら(セリフで)タメ口をきいていましたが、今はノリノリです」と仲むつまじさを感じさせる。川平は「彼はとても良いバディ。養子縁組したいくらい(笑)」とジョークを飛ばし、「彼はずるいんです! この愛くるしい瞳で僕を見つめながらフルエネルギーで歌うから、こちらも泣きそうになるんですよね」と三浦に向かって目を細めた。 上演時間は、休憩25分を含む3時間5分を予定。公演は本日5月18日から6月8日まで行われる。 ■ ミュージカル「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」 2024年5月18日(土)~6月8日(土) 東京都 シアタークリエ □ スタッフ 原作:「ナビレラ」 オリジナル台本・作詞:パク・へリム 作曲:キム・ヒョウン オリジナルプロダクション:ソウル芸術団 演台本・演出:桑原裕子 □ 出演 イ・チェロク:三浦宏規 シム・ドクチュル:川平慈英 ドクチュルの妻:岡まゆみ ドクチュルの次男、TVプロデューサー:狩野英孝 ドクチュルの長男、会社員:オレノグラフィティ チェロクの元サッカー仲間:瀧澤翼 ドクチュルの孫娘:青山なぎさ / 井上音生 バレエ団長:舘形比呂一 久保貫太郎 / 市川絵美 / 岩崎巧馬 / 岡山玲奈 / 河西茉祐 / 古賀雄大 / 政田洋平 / 舞夏 / 山田美貴 ※岩崎巧馬の「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。