テザー社が香港拠点の金融機関XREX Groupに約29億円出資、USDTのクロスボーダーB2Bで
テザー社がXREX Groupに約29億円出資
USDTなどのステーブルコイン発行体であるテザー(Tether)社が、ブロックチェーン活用の金融機関エックスレックスグループ(XREX Group)に約29億円(1875万ドル)の戦略的投資を行うことを6月5日発表した。この投資は、新興市場でのUSDTベースのクロスボーダーB2B(企業間)決済促進に向けたもの。 またこの投資により両社は、規制技術(レギュテック)の分野におけるイノベーションを促進すると共に、ステーブルコインの不正使用の検出と防止の為のソリューションを強化していくとのこと。 なおテザー社はエクスレックスグループへの戦略的投資に加え、エクスレックスグループの財務管理会社の役割も担うとのこと。 またエクスレックスグループは、ステーブルコイン開発企業ユニタス財団(Unitas Foundation)と提携し、米ドルペッグのステーブルコイン「XAU1」をローンチするとのこと。「XAU1」はユニタス財団によるユニット化されたステーブルコイン(Unitized Stablecoin)だという。 ユニタス財団によるとユニット化されたステーブルコインを保有することは、USDステーブルコインを保有することと同じとのこと。例えば1ユニタスインドルピーステーブルコインを保有した場合、1/80USDT(現在のインド準備銀行のレート)を保有することと同じであるとユニタス財団は説明している。 なお「XAU1」では、金(ゴールド)裏付けのステーブルコイン「テザーゴールド(XAUT)」を担保にしているとのこと。 ちなみにユニタス財団でユニット化されたステーブルコイン(Unitized Stablecoin)は、主に新興市場の通貨を代表する単位として機能するとのことだ。 また香港拠点のエクスレックスグループは、台湾の金融監督委員会から認可を受けた暗号資産サービスプロバイダー(VASP)として運営されている。また同社は、シンガポール金融管理局(MAS)からも主要支払い機関のライセンスを取得しているとのこと。
一本寿和(幻冬舎 あたらしい経済)