「魚好き」と「肉嫌い」に因果関係は? 子どもの論理的思考が育つ東大式トレーニング
練習問題
次の問題を読んで、ア~ウから答えを選んでみよう。 Q01 僕は魚料理が好きだ。 上の文と強い因果関係がある選択肢を選びなさい。 ア 僕はお肉が好きだ。 イ 僕はお寿司が好きだ。 ウ 僕はお肉は嫌いだ。 Q02 私はこの本を図書館で借りた。 上の文と強い因果関係がある選択肢を選びなさい。 ア この本は、私の本ではない。 イ この本は、図書館の本ではない。 ウ この本は、無料で図書館にゆずられた本だ。 Q03 飯田さんは虫が大の苦手である。 上の文と因果関係がない選択肢を選びなさい。 ア 飯田さんは、クモが苦手である。 イ 飯田さんは、ペットを飼えない。 ウ 飯田さんは、キャンプに行くことができない。 Q04 安田さんは算数は苦手だが、国語は得意だ。 上の文と強い因果関係がある選択肢を選びなさい。 ア 安田さんは社会と理科も得意だ。 イ 安田さんは国語の塾に通っている。 ウ 安田さんの成績は学年でトップクラスだ。 Q05 最高時速500kmのリニア中央新幹線の開業が予定されている。 上の文と因果関係がない選択肢を選びなさい。 ア 物や人を高速かつ大量に輸送することができるようになる。 イ 都市と都市の移動がスムーズになることで、地域に活気をもたらすことができる。 ウ 飛行機を使った輸送量を大幅に増やすことにつながる。
解答と解説
【解答】 Q01 イ Q02 ア Q03 イ Q04 イ Q05 ウ 【解説】 Q01 「魚料理が好き」は、イの「お寿司が好き」の理由になりますから、因果関係が成り立ちます。逆にア・ウの「お肉が好き」「お肉は嫌い」は魚料理が好きなこととは関係がありません。 Q02 図書館の本は図書館のものであり、借りた人のものにはなりませんから、「私はこの本を図書館で借りた。」という文は、アの「この本は、私の本ではない。」の原因・理由になります。イ・ウの内容はともに、「私はこの本を図書館で借りた。」ことの理由や結果にはなりません。 Q03 「飯田さんは虫が大の苦手である。」という文は、アの「クモが苦手である」の理由になりますし、キャンプ場には虫がたくさんいるので、ウの「キャンプに行くことができない」の原因にもなりますから、ア・ウはどちらも因果関係が成り立ちます。一方、虫が苦手でも犬や猫が好きな人はたくさんいるのでイは因果関係が成り立ちません。 Q04 「安田さんは算数は苦手で、国語は得意」であることが、理由や結果になる選択肢を探しましょう。イの「安田さんが国語の塾に通っている」は、安田さんが国語が得意な理由として理屈が通ります。一方で、アやウの内容は、上の文だけでは判断できないので誤りです。 Q05 リニア中央新幹線が開業すると、どのような結果がもたらされるか考えてみましょう。アやイのような効果が見込めそうですね。一方、リニア中央新幹線が開業すると、それまで移動の速さを重視して陸路ではなく飛行機を利用していた人々が、リニア中央新幹線を利用するようになり、飛行機での輸送が減ってしまう可能性があるため、ウは逆のことを言っています。
西岡壱誠(現役東大生/株式会社カルペディエム代表取締役)