豊昇龍、叔父の元横綱が曙さんを「尊敬していた」 琴ノ若は「お父さんみたいな存在」
大相撲の第64代横綱でプロ格闘家としても活躍した曙太郎(米国名チャド・ローウェン)さんが、心不全のため、4月上旬に東京近郊の病院で死去していたことが11日、分かった。54歳だった。2017年にプロレスの遠征先で倒れてから入院生活を送り、リハビリに励んでいたが、容体が急変した。ハワイ・オアフ島出身、203センチの巨漢で史上初の外国出身横綱となり、同期生の若乃花、貴乃花の“若貴兄弟”と1990年代の相撲ブームを盛り上げた。 * * * 大相撲春巡業が11日に静岡・御殿場市で行われた。曙さんの訃報は朝稽古を終えた力士らにも伝わり、驚きと悲しみの声が上がった。巡業で初めて相撲を取る稽古を行った大関・豊昇龍(24)=立浪=は「体調が悪いことは知っていたが、驚いた。初の外国出身横綱で、叔父さん(元横綱・朝青龍)も尊敬していた」。3~4歳の頃に母国・モンゴルで会った思い出を懐かしそうに振り返った。 大関・琴ノ若(26)=佐渡ケ嶽=は、父の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)が27度対戦していたことなどから家族ぐるみの付き合いがあり、十両時代に着物をもらったという。「お父さんみたいな存在。いい報告ができたらいい」としんみり。同い年の若松親方(元幕内・朝乃若)は「同じ一門で横綱土俵入りでは太刀持ちや露払いをさせてもらった。海外巡業で露払いをしたことをよく覚えている。早いですよね…」としのんでいた。(山田 豊)
報知新聞社