かが屋、『この動画は再生できません』映画化実現に感無量&さらなる続編を熱望!舞台挨拶に渋滞で遅刻も息ぴったりトークに会場は大盛り上がり
人気深夜番組を映画化した『映画 この動画は再生できません THE MOVIE』の公開記念舞台挨拶が9月14日にシネマート新宿で行われ、お笑いコンビ「かが屋」(加賀翔、賀屋壮也)、和田雅成、世古口凌、谷口恒平監督が出席した。この日は、横浜方面の劇場からイベントに向かっていたメンバー。移動中に渋滞に巻き込まれ、遅刻して舞台挨拶に駆けつけた。大慌てでステージに上がった「かが屋」はハプニングを笑いへと変え、温かな観客から大きな拍手を浴びた。 『映画 この動画は再生できません THE MOVIE』の公開記念舞台挨拶が開催された 本作は2022年に第1シーズン、2023年に第2シーズンが放送された、フェイクドキュメンタリーホラーと謎解きミステリーを組み合わせた深夜の実験番組「この動画は再生できません」の劇場版。心霊スポットでの自撮り映像や生配信などを模したフェイクドキュメンタリー映像、そしてホラーDVDシリーズの編集マン江尻(加賀)とオカルトライターの鬼頭(賀屋)が、視聴者から送られてくるさまざまな動画の裏にある秘密を解いていく謎解きパートというドラマの構成を踏襲しつつ、劇場版ではさらに謎が深く描かれていく。 この日は109シネマズゆめが丘、ローソン・ユナイテッドシネマSTYLE-S みなとみらい、イオンシネマ港北ニュータウン、そしてシネマート新宿で舞台挨拶が行われた。しかしながら渋滞の影響でシネマート新宿の上映後の舞台挨拶に間に合わず、スタッフが「渋滞に巻き込まれました。新宿付近まできているんですが…ちょっとお待ちください」と呼びかけると、会場は大爆笑。2台の車に分かれて乗車していた登壇者だが、まずは予定時間を5分あまり過ぎたころに「かが屋」の2人が到着した。 猛ダッシュしたために息が上がっていた2人。「すみません!ありがとうございます!」と平謝りしながら、加賀は「神奈川の方から舞台挨拶にまわらせてもらって、シネマート新宿に来ました。MCの方、和田さん、世古口さん、監督がいない。誰もいない!」とまさかの事態に苦笑い。 賀屋も「三連休の初日の道路の混み具合を、スタッフが完全になめていました。すみません。失礼いたしました」と謝罪を重ねた。拍手と笑いが起きる会場を見渡した加賀は「なにが驚きかというと、慌てて飛び出して渋滞にハマって、全員が遅れていますということになって。皆様をお待たせしてしまったんですが、なぜか神奈川にいたお客さんが何人かいる!なぜ僕らを乗せてくれなかったんですか!」と訴え、さらに観客を笑わせていた。 その後、無事に和田、世古口、谷口監督、MCも辿り着き、和田が「4つ前の車が事故っていました。説明していいですか!」と内情を明かすと、周囲もびっくり。賀屋は「無事でよかった」、加賀は「事故をしなくてよかった。そうしたらお化け役としてここにね…」と怖い一言をお見舞いしながら、一体感あふれるトークを繰り広げていた。 深夜のテレビドラマから映画化が実現した。加賀は「映画館で流れるということは、すごく細かな演技も見られる。その体験は初めてなので、緊張感が増した。よく見たら僕、推理パートの顔はガチガチ。興奮しながらやらせてもらいました」と告白。賀屋は「超低予算のなか、ドラマからやってきた。映画でちゃんとした照明さんがついて、みんなで工夫しながらつくった作品。それがこんなに人を集める力をもっていたことが、めちゃくちゃうれしい」と大きなスクリーンで上映が叶ったことに感無量の面持ちを見せ、客席にいたスタッフに手を振るひと幕もあった。 またセリフ量も多かったことから、加賀は苦労をこぼしつつ「必殺技がある」とニヤリ。「どうしても難しいセリフの時ですよ。僕らって、パソコン画面を開いているじゃないですか。そこに小さく台本を出しています」とぶっちゃけ、賀屋も2人でパソコンを見ているシーンを再現しながら「あれ、台本を読んでいるんです」とちゃめっ気たっぷりに語った。谷口監督は「シーズン2の時に、これでできるなと思った」と必殺技に満足そうな表情を浮かべるなど、息の合ったやり取りに終始、会場からは笑いが上がっていた。 最後の挨拶では、谷口監督が「テレビドラマでは、スマホやテレビ画面で観ていただいて、愛してもらいたいなと思いながらつくっていた。映画ではその雰囲気を残しながら、スクリーンや暗闇のなかで観てもらうということを考えてつくりました。大勢の皆さんに観ていただけてうれしいです」と感謝の一言。世古口は「シリーズものに途中から参加をさせていただいて、こうやって大きなスクリーンで映画となって、皆さんの前に映しだされるのは大きなこと」と大切な経験になったという。 和田は「皆さん、事故には気をつけてください」と切りだし、「『気をつけて』という言葉をいうと、潜在的に気を付けるらしいんです。また元気にこういう場所でお会いしましょう」と呼びかけ。賀屋は「口コミでどんどん広がって、このような形になった」と改めて喜びを噛み締め、「映画、ドラマなどどんな形でも続編を。どうか続いていきたいという気持ちです」と続編を願った。「(劇場の)隣の隣にあるルノアール(という喫茶店)でずっと働いていた」という加賀は、「この映画のパンフレットを持った人が、ルノアールに行ってくれたら『アイツ、出世したな!』と思ってもらえる」と期待しながら、「超、超低予算から始まった。映画になって皆さんにお会いできていることがうれしい」と心を込めていた。 取材・文/成田おり枝