地域課題解決へアプリ開発 IT企業社員ら徳之島で研修 地元の高校生も協力
東京を拠点に情報システム構築・運用関連のサービス事業やソフトウエア開発などを展開するNECソリューションイノベータ(NES)主催の「ハッカソンin徳之島大会」が5日、鹿児島県徳之島の天城町役場であった。IT技術者が限られた期間でソフトウエアやサービスを開発し、アイデアの斬新さや技術を競うイベントで、研修のために日本全国から来島した同社の社員30人や、島内3町の職員や商工会などからの来賓40人が出席。8グループが開発したアプリケーションやソフトウエアを発表し、島内の地域課題解決へ向けて一石を投じた。 ハッカソンとはプログラムの改良を意味する「hack」(ハック)とマラソンを組み合わせた造語。イベントは同社が社員研修の一環として2017年から実施しており、今回は、あまみ徳之島絆ファーム(徳之島町母間)の佐多はつみ代表が誘致。天城町商工会(神田浩生会長)らが協力して徳之島で初めて開催した。 大会の参加者は20~50代のシステムエンジニアで、3日に来島。地元住民との交流や島内調査を通して見つけた地域課題の解決のためにソフトウエアを2日間で完成させ、投票形式で競った。開発には地元のシステムエンジニアや高校生らも協力した。 来賓らの投票で決まる「徳之島賞」には女性4人グループ「うーばちゃむん」が開発したライドシェア(相乗り)支援アプリ「わんライド」が選ばれた。石川県から参加した同グループの加藤奏さん(29)は「公共交通が少ない中、支え合っている島の人たちを支援したいと思って開発した」とアプリについて説明し、「初めて徳之島を訪れたが、島の人たちの人柄や自然の豊さで大好きになった。絶対にまた来たい」と笑顔を見せた。 大会に参加した樟南第二高校商業科3年の生徒は「チームメンバーに支えていただき、デザイン関連で協力させてもらった。専門家と一緒に仕事できる貴重な機会になった。今後の進路に生かしたい」と話した。