日本ハム・清宮幸太郎に「格好つけるな、目立とうとするな」と説いたチームメートは?
【球界ここだけの話】勢い余ってか。8日のオリックス戦(エスコン)で日本ハム・清宮幸太郎(25)が痛恨の走塁ミスを犯した。1点差に迫った九回1死二、三塁で同点の右前適時打打を放ったが、一塁を回ったところで、右翼からの返球を受けたカットマンの一塁手にタッチされてアウト。サヨナラの絶好機はしぼみ、後続も凡退。延長戦の末に、チームは敗れた。 【写真】「普段はしないですけど…」ファッショナブルなサングラスを身に付けプレーする日本ハム・万波 新庄監督は「あそこは(一塁の)代田コーチが早めに声掛けをしないといけなかった」と清宮を〝擁護〟したが、判断ミスは明白だった。二塁走者が三塁で止まった時点で、本塁生還を助けるために一、二塁間で挟まれる囮(おとり)になる必要はない。走塁の基本事項としてイニング、BSOカウント、得点差はもちろん、相手チームのポジショニング、前走者の動きまで含めた状況確認、そしてそれは全て自分で目視することが求められる。 代田コーチの名誉のために記しておくと、一塁ベースに近くまでいって『ストップ』、『ストップ』と声を出していた。それでも、「打者走者は打球を見ているから、こちらを見ることはない。視界に入るギリギリのところまでいかなきゃいけなかった。結果的に指示が聞こえてなかったとしたら僕のミス。打って興奮しているところで冷静にさせてあげるのが仕事だし、幸太郎には申し訳ない」と振り返った。 休養日を挟んでの10日の試合前練習では早出で同じシチュエーションによる走塁練習が行われた。清宮は「難しいっていうか、普通にやっていれば普通にできるプレーなので。あそこはいかないのが正解。確認作業です」と話した。 清宮の中で年々、「次の塁を狙う」との走塁の意識が強くなっているのは事実だ。例えば、昨年7月5日のソフトバンク戦。0-5の三回2死一、二塁からの中前適時打で一走・清宮が三塁を狙ってタッチアウト。新庄監督は「自分の(視野に入っている)前の打球でね。しかも、5点ビハインドで三塁に走る必要は全くない。野球センスを磨かなきゃ」と苦言を呈されている。 前述の早出走塁練習でで、そんな清宮に声を掛けたのが選手会長・松本剛だった。清宮は「『目立とうとするな』みたいな感じのことです。相手の隙を突いてやろうとか、いい走塁をしようと思うとろくなことがないと。『守備と走塁で目立つな、バッティングで目立て!。自分もそうだったけど、守備と走塁は落ち着いてやっていれば、勝手にうまくなるから』と言ってもらいました」。シンプルではあるが、実に的を射た助言だ。(東山貴実)