頭の中、生成AIで復元 脳信号読み取り画像に
量子科学技術研究開発機構(千葉市)や大阪大などの研究チームは、人間が頭の中で思い浮かべた物体や風景を脳信号から読み取り、生成人工知能(AI)を使って画像で復元することに世界で初めて成功したと発表した。線や色、質感などの特徴を定量的に捉える「脳信号翻訳機」とも呼べる技術で、意思疎通の手段として医療・福祉分野などでの応用が期待される。 ヒョウの画像復元では、完全ではないが耳や口元、斑点模様などを大まかに捉え、何となく動物だと分かる。飛行機の画像でも、主翼の輪郭やランプの赤い光が再現された。30日付の国際学術誌に掲載された。 画像を実際に目で見ている人の脳活動を機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で計測し、脳信号から復元する研究はあったが、思い浮かべる場合はアルファベットの文字や単純な幾何学図形に限られていた。研究チームは既存の手法を基に、脳の活動を数値化し、予測技術と組み合わせて生成AIに画像を描かせることで複雑なものを復元する技術を開発した。