スタンフォード大・麟太郎のメジャースカウト評価は課題山積…ド軍指揮官からも耳の痛いアドバイス
米西部の名門スタンフォード大学に入学した佐々木麟太郎(19)が日本時間15日、ドジャースの遠征先サンフランシスコのオラクルパークを訪問。試合前には大学のチームメートとともにド軍の打撃練習を見学した。 母校・花巻東高の先輩である大谷翔平(29)との対面は実現しなかったが、デーブ・ロバーツ監督とベンチ前で談笑。指揮官から「みんな打てるし、打つのは好きだろうけど、大事なのは守備。両方、しっかりやるように」とアドバイスされた。 歴代最多の高校通算140本塁打をマークした長距離砲も、多くの日本のスカウトから酷評されたように、守備と走塁に多くの課題を抱えている。佐々木にとってロバーツ監督の助言は耳が痛いだろうが、スタンフォード大学では問題のその守備をみっちりと仕込まれそうだ。 同大のОBでもあるデビッド・エスカー監督(59)は卒業後、マイナー4球団で主に遊撃手としてプレー。大学のコーチ転身後は投手を含めた守備を重視した指導を行っている。 スタンフォード大で2年間、エスカー監督の指導を受け、19年のドラフト2巡目でオリオールズに入団したカイル・ストワーズ外野手(26)は守備の重要性を叩き込まれたと地元メディアの取材に答えている。 佐々木の入学が決まった際、「打力があるのは間違いない。中軸を担ってもらいたい」と高い期待を口にしたエスカー監督の下で基本からやり直すことになりそうだが、 課題は守備や走塁だけに限らない。 佐々木は数年後、メジャーのドラフト指名を目指しているものの、売りであるはずの打撃に関しても、メジャースカウトがこう言うのだ。 「メジャーではセンターラインを守る選手以外、打撃が最優先される。ナ・リーグにもDH制が採用され、打つだけの選手にもチャンスが広がったとはいえ、世界を見渡せば、麟太郎のようなパワーだけの選手はいくらでもいる。DeNAに復帰した筒香も高校時代は69本を放って将来を嘱望されたが、内角の速球が打てなくてメジャーでは通用しなかった。おまけに鈍足だけに、メジャーからドラフト指名されるには課題は山積みです」 米国は高カロリーな食べ物が多く、体重113キロからの減量も不安だ。 「マイナーが縮小された21年以降、各球団ともドラフトで指名できるのは20人程度。門戸自体が狭いだけに、大学でレベルアップを図れなければ、メジャーのスカウトから見向きもされない可能性もある」とは前出のスカウトだ。 ◇ ◇ ◇ 日刊ゲンダイは米大学野球でプレーする複数人の日本人選手や専門家に取材を実施。すると、「クビ制度」や「勉学のノルマ」「練習環境」「故障への取り組み」「試合数」「サマーリーグ」…などなど、日本とはまったく異なる環境であることがわかった。 ●それらは関連記事【米大学野球】…で詳しく報じている。