「やればできる!」中野園子コーチの『声』で躍進した三原舞依。状態を見極めた”咄嗟の対応力”とは?【フィギュア全日本選手権】
咄嗟の判断力が光った。 フィギュアスケートの全日本選手権は12月22日に女子ショートが行なわれ、大会3連覇を狙う坂本花織が今季のシーズンベストを更新する78.78点をマーク。国際スケート連盟(ISU)非公認のため、今大会の記録は参考扱いとなるが、ノーミスの演技で女王が首位スタートを決めた。 【PHOTO】コーチの言葉に励まされ…笑顔輝く演技が光った三原舞依を特集! 一方、坂本と同じ中野園子コーチに師事する三原舞依も続いた。2つ目のコンビネーションジャンプが回転不足に判定されたものの、1つひとつの要素をしっかり稼いで大きなマイナスにはならず。フィニッシュ直後、両手でガッツポーズが飛び出し、満面なマイ・スマイルが弾いた。 得点は67.70点で暫定3位。終盤、山下真瑚にかわされて4位に転落したが、表彰台を狙える位置をキープした。 三原は今季のグランプリシリーズ第4戦・中国大会にエントリーしていたが、右足首の負傷で出場を見送り。第6戦の日本大会(NHK杯)に出場したものの、故障で精彩を欠き8位に沈んだ。 故障はまだ完治しておらず、不安が拭いきれずに迎えた大舞台だったが、観衆のハートをワシ掴みにする演技を見せた。「(中野先生が)やればできると言ってくださって。先生方の最後の声は、一番頭に入るので。1つひとつ落ち着いてできた」と語り、感謝を口にした。 また、序盤の対応力も見事だった。実は2つ目のジャンプは単独の3回転フリップの予定だったが、3つ目の3回転ルッツ+3回転トウループと入れ替えた。その意図は、より確実性を重視したもので、「今の状態でのベストは、今日の構成だったかな」と自己分析した。 クリスマスイブとなる24日のフリーは、最終グループで迎える。昨年の銀メダリストは、「今までやってきたことを、この舞台で出せるように。ということを考えながら、最後まで楽しむことを大切にしたいです」と決意を示し、中野門下生の2年連続ワンツーフィニッシュを見据えた。 取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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