三木道三「一生一緒に~」の“女編”が大ヒット…RSP元メンバーが今だから話せる“当時の本音”
女性ボーカルふたりが背負ったプレッシャー
「当時は似たようなガールズグループがたくさんいたから、差別化を図るためには“ちょっと不器用な関西弁の女の子”を押し出していくほうが、おもしろくて正解なのかなとわかっていました。元カレの話だったり、ペットの話だったり、家事が苦手な女の子の話だったり。基本はAiちゃんをメインにした世界観。でも私と彼女は、育ってきた環境も性格もまったく違う。あまりにも自分の内面とは違う楽曲なこともあって、インタビューでも何を答えたらいいかわからなかった。だけど、大人たちの期待やプレッシャーを一身に背負っていたAiちゃんも、すごくしんどかったはずです」 Sakiさんの目には「本当にまっすぐでピュアな人」に映っていたという相方のAiさん。グループ内での自分の軸を見つけられず、Sakiさんは次第に自分の存在価値がわからなくなっていったと言います。 「劣等感や自己否定の感情を抱えていると、自分自身がどこか醜く思えて、素直な感覚が鈍ってしまって。そして、その素直な感覚さえも、周りを含めた色々なことを考えてしまうと、表に出せないジレンマがありました。そんな中で、自分を上手く表現できなくなっていったのかもしれません」 そしていつしか、「Aiちゃんを支える役割として存在しよう」と思うようになっていきます。 「自分が何をしたらいいのかわからなくなってしまい、Aiちゃんがやりたいことを一緒にやろうと思いながら活動していました。一方で、私個人がやりたいこと……たとえば大好きなジャズの要素を入れたいと考えても、『この情熱は共有できないだろう』って感覚があった。でも、それを直接言えないし、上手く伝えられない。決して不仲ではなかったけど、『いつか“離婚”するから頑張ろう』って意識を持っていたから走り抜けられましたね」 グループを取り巻く“大人の事情”やしがらみ、自己否定に劣等感。外側からも内側からも襲ってくるそれに、「歌ったり喋ったりしようとしても、体が拒否して喉がキュッと締まるときがあった」のだとか。何度も悩み、苦しみ、喜びを分かち合った果てで解散を迎えたとき、Sakiさんは「救われる出来事があった」と明かします。