円急騰が日本株に"活"?注視したい「銘柄」と「相場格言」
連日の「32年ぶりの安値更新」から一気に7円も円高に振れたドル円相場。この動きが日本株相場にも活を入れるかもしれない(写真:ブルームバーグ)
先週(10月17~21日)の日本株は「膠着相場」と呼ばれていいような展開だった。この5日間の日経平均株価の(1)日中値幅(高値と安値の価格差)と(2)始値・終値の値幅を見ると、17日が(1)165円、(2)9円、18日が(1)319円、(2)11円、19日が(1)178円、(2)32円、20日が(1)220円、(2)25円、21日が(1)116円、(2)12円と、上がっても下がっても、とにかく極端に振幅の乏しい毎日だった。 21日の日中値幅116円は、昨年12月24日に記録した96円以来の小動きだし、18日にはアメリカ株高を受けて前日比380円高と伸びたものの、ザラバには売り物に押し戻される場面があり、結局は終値では始値を下回る始末。その値幅は11円のマイナスだった。 この始値と終値の値幅は、ローソク足チャートで「実体」と呼ばれる部分。この実体の長短・陰陽でもって相場の方向性を読み取るのが、ローソク足分析の基本となる。 高値と安値を見た日中値幅の振幅の乏しさも含め、これほど日々の動きが膠着化しているのも珍しい。要するに「方向感が乏しい」ということなのだろうが、それにしても……である。 ちなみに、この先週5日間に先立つ10月14日は、日中値幅が584円、実体が491円あった。この“躍動相場”の反動と考えたらいいのかもしれないが、アメリカ株高(金利上昇下での株価堅調)への懐疑心、急激な円安への動揺(企業業績へのメリットより景気へのダメージを警戒か)などが市場心理の影を投げているのかもしれない。 結局、この5日間は日経平均が200円(0.7%)安。2週連続のマイナスとなってしまった。動きが煮詰まったあとは、上でも下でも「保ち合い放れにつけ」が相場格言。今週(10月24~28日)は放れ足が見られるかどうか。
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岩本 秀雄