米アカデミー賞決定 ネットが変える?映画の楽しみ方
第91回アカデミー賞授賞式は24日、米カリフォルニア州ロサンゼルスのドルビーシアターで開催され、作品賞には黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の友情を描いた「グリーンブック」(ピーター・ファレリー監督)が選ばれた。日本からは「万引き家族」(是枝裕和監督)が外国語映画賞に、「未来のミライ」(細田守監督)が長編アニメーション賞にノミネートされていたが、残念ながら受賞を逃した。
ネット配信大手Netflixの「ROMA」3部門受賞
作品賞の「グリーンブック」は、人種差別が強く残っていた60年代のアメリカ南部でコンサートツアーを計画した黒人ジャズピアニスト(マハーシャラ・アリ)と、彼に雇われたイタリア系用心棒兼運転手(ヴィゴ・モーテンセン)の実話を基にした物語。同作は他に助演男優賞、脚本賞も受賞した。 日本でも累計興行収入116億円を超えヒットした英バンド・クイーンの伝記的映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、主演男優賞、音響編集賞、録音賞、編集賞の4部門に輝いた。 なおネット配信の大手、Netflix(ネットフリックス)が配給権を獲得し独占配信中のオリジナル映画「ROMA/ローマ」は10部門にノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞の3部門を受賞している。
SNSでバックステージ公開など新たな楽しさが
昨年12月、いったんは人気コメディー俳優のケヴィン・ハートに司会が決まった今回の授賞式。だが、ハートの同性愛を嫌悪する過去の発言が問題となり、発表から数時間後に辞退。代役選びは難航し、今年はついに司会者不在で行われることになった。そんな中、冒頭にはなんと本物のクイーンであるブライアン・メイとアダム・ランバート(Queen + Adam Lambert)が登場。フレディ・マーキュリーの映像の前でパフォーマンスするという好演出でのっけから盛り上げた。 1989年に、やはり司会者不在で行われた際は酷評を受けたが、今回は違った。超一流のプレゼンターが次々と登場しては授賞式を進行させ、楽しませた。また、ネット時代ならでは、バックステージにおけるセレブたちの様子や自撮り風景などがそれぞれの有名人のSNSなどで続々と投稿・公開され、この映画界の頂点といわれる祭典を、ネットとあわせて楽しんだ人はかなりの数にのぼったようだ。あるいは司会者不要論も今後、出てくるかもしれない。