イセエビ漁本格化 水揚げ量は平年並み、和歌山県みなべ町
和歌山県みなべ町堺の堺漁港では、11月からイセエビの水揚げが最盛期を迎える。紀州日高漁協南部町支所の組合員が共同で漁船を出して本格的に漁を始めた10月28日の水揚げ量は、約850キロと平年並み。漁は4月末まで続く。 【魚つかみ取りに歓声 夏の子どもまつり、和歌山県みなべ町の記事はこちら】 イセエビは南部町支所ではヒラメに並ぶ主力の海産物。今年は9月17日に漁が解禁された。サイズは小さいので200グラム、大きいのは約1キロある。堺漁港では300~500グラムが多い。 イセエビは暖かい水温を好む。近年は温暖化の影響で海水温が上昇し、東北地方でもイセエビが水揚げされるようになった。10月上旬まで暑さが続いた影響で漁獲量減少が懸念されていたが、堺漁港では平年並みだという。 前日の夕方に沿岸で網を仕掛け、翌日未明に引き上げる。28日朝、前日に出港した漁船15隻が波止場で水揚げ。網にかかったイセエビを40人以上の漁業関係者らが、触覚や足が折れないよう、先端がL字形状の「手かぎ」と呼ばれる道具を使い、1匹ずつ慎重に網から外した。 競りには小売店や仲買人、料理店が入札に参加。市場には競り人の威勢よい掛け声と、入札参加者が値段を書き込む黒板をはじく音が響き渡った。 29日には山本秀平町長が市場を視察し、関係者らに海産物について話を聞いて回った。 旬を迎える11月以降は鍋料理やおせち料理などで需要が高まる。市場の引き合いも強くなり、市場価格は上昇していくとみられる。
紀伊民報