昨年12月、青森県八戸市の八戸自動車道を走行していた大型トラックのタイヤが外れ、作業員の男性2人が死傷した事故で、県警は16日、トラックを運転していた「盛運輸」（本社・青森市）の岩手営業所に勤務する男性（61）を自動車運転処罰法違反（過失運転致死傷）容疑で、同営業所の整備管理者だった男性（53）と男性整備士（42）を業務上過失致死傷の容疑で書類送検した。県警は、3人の過失が重なったことでナットが外れてタイヤが脱落、男性に直撃し2人を死傷させた－と結論づけた。 　運転手の送検容疑は、法令で定められている運行前の点検を適切に行わず、また八戸道を走行中にタイヤ1本が外れたにもかかわらず、すぐに車を停止しなかった疑い。 　整備管理者と整備士の2人は、事故の約2週間前、すり減った冬タイヤの交換を適切に行わなかった疑い。さらに整備管理者は運転手に対する日常点検の指導を怠った疑いが持たれている。 　事故は昨年12月1日午後3時50分ごろ、八戸西スマートインターチェンジ（IC）－八戸北IC間の下りで発生。走行していた大型トラック左最後部のタイヤ（直径約80センチ、重さ約70キロ）2本が相次いで脱落し、2本目が路上で作業していた八戸市東白山台3丁目、会社員木村泰輔さん＝当時（32）＝に直撃した。木村さんは頸椎（けいつい）骨折などで死亡。同僚で木村さんの父＝同（63）＝が、木村さんとぶつかり軽傷を負った。 　捜査関係者によると、八戸西スマートIC付近で1本目のタイヤが見つかっており、八戸北ICで停車するまでの約4.5キロを、脱輪したまま走行した。タイヤと車体をつなぐボルト部分に目立った損傷はなく、県警は運行前からナットが緩んでいたとみている。 　同社の盛大剛社長は東奥日報の取材に「あってはならないこと。真摯（しんし）に受け止め、今後の適切な運行に努める」と話した。