早期教育に熱中する親が「ハマる罠」現役助産師が警鐘を鳴らす、頭のいい子に育てるよりも乳幼児期に優先すべきこと
こんにちは! 子どもの心の育て方講座を開催している、助産師さきです。 最近、SNSを見ていると「早期教育」や「知育」の情報で溢れかえっていませんか? 私がインスタで情報発信を始めた5年前と比べても、知育アカウントの数が爆発的に増えているのを感じます。 【マンガ】「地頭のいい子」は何をしている? 賢い子の親が幼児期に“本当にやってよかった”と語る遊びとは なぜこんなに増えているのか? 理由のひとつは、小学校や中学校を受験する子が増えていることではないでしょうか。それに向けて「早くから学力をつけなきゃ!」と心配し始める時期が、どんどん低年齢化しているように感じます。 私は助産院で子育ての相談を多く受けているのですが、幼稚園や保育園の子どもを持つのお母さんから「早くから習い事やドリル、英語教育をさせた方がいいでしょうか...」と相談されることも増えてきました。実は私も、そんな焦りや不安を感じたことがあるひとりです。 でも、ちょっと待って! 幼い子に本当に大切なことって、学力を上げることなのでしょうか?
自己肯定感を育てるのは今!赤ちゃん・幼児期に本当に必要なこと
乳幼児期に大切なのは、他の子より“早く”何かができるようになることではありません。 その子の良いところも悪いところも全部含めて「ありのまま」を認めてあげること、そして親がたっぷり甘えさせてあげることこそが大切なんです。 なぜかというと、これによって子どもの中に安定した「愛着(アタッチメント)」が育つから。この愛着が、子どもが幸せな人生を送れるかどうかに関係します。 そもそも愛着とはなんなのでしょうか。 愛着とは「特定の人との心の繋がり」のこと。多くの家庭では、子どもにとって一番最初に愛着を築く相手は、親です。 そのため親にどう育てられ、親子の愛着が安定したものになるか、不安定なものになるかが、その後の人生の人間関係や考え方の癖に影響します。 愛着が安定して育つと、子どもはどうなる? ・自己肯定感が高い ・感情のコントロールが上手 ・友達関係が良好 ・いろいろな面で発達が促進される ・学習面でも良い結果が出やすい こんなにたくさんの良いことがあるんです! 逆を言えば、愛着が不安定に育つと、自己肯定感が低くなったり、感情のコントロールがうまくできない、人と付き合うのが苦手……など、生きづらさを抱える原因になってしまうことがあるということ。子どもの生まれ持った性格や気質とは別に、後天的な原因で生きづらさを抱えてしまうのって勿体ないと思いませんか? 愛着は人間の「土台」と呼ばれるほど、人生に大きな影響を与えます。 つまり、幼い頃に親が安定した愛着を育ててあげることは、子どもが幸せに生きていける可能性が高くなる、なによりも大切な投資になるんです。 次回は、4歳の上の子の癇癪や暴力に悩んでいたお母さんが、あることをして改善した話をご紹介します。
【Profile】助産師さき先生(@mw_saki)
助産師、看護師、離乳食・幼児食アドバイザー、小児スリープコンサルタント。大学病院、個人病院に勤務したのち、世界中どこからでも妊娠・出産・育児の相談や講座が受けられるオンラインの助産院を開業。育児相談のべ1万件。著書『助産師さき先生のはじての母乳育児』(すばる舎) 子どもの心を育てる「愛着(アタッチメント)講座」は初開催で1500名が受講。安定した愛着形成をするための「子どもとの接し方」を発信。「学びで、育児をもっと楽に楽しくしよう!」をコンセプトに、親子でもっと幸せになる子育てノウハウを提案している。
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