人口減少著しいまちの救い手となるか!? 古民家1棟貸しの〈NIPPONIA美濃商家町〉に「UMEMIYA棟」が誕生
不便だけれどあたたかい、都会にはない美濃の空気感が好き
〈NIPPONIA美濃商家町〉の1棟目である「YAMAJOU」の立ち上げから、企画運営スタッフとして関わった平山さんは、千葉からのIターン組でした。パートナーが、この地にある全国でも珍しい専門学校の森林文化アカデミーに入学することを機に、美濃市への移住を決意したそうです。 「ふたりとも東京で働いていたのですが、満員電車や密集した住宅環境に限界で、美濃のゆったりした空気や自然に囲まれた環境に惹かれました。近くの川で鮎がたくさん釣れるのですが、それを近所の方が届けてくださったり、畑で採れた野菜をいただいたり。昔ながらの地域のコミュニティがあたたかく、すっと馴染んでいけました」と平山さん。夫である優貴(ゆうき)さんもその後、同系列の会社に 就職され、ふたりで美濃のまちづくりに関わっているのだとか。 「美濃市は人口も2万人を切ってしまい、人口減少はなかなか止められないですが、ホテルのスタッフたちをはじめ、美濃のまち並みや文化を守っていきたいという人はたくさんいます。和紙職人の数も減っていますが、一方で、若手の職人さんが、アート活動に力を入れていたり、障子紙としてだけでなく、インテリアデザインとしての現代にあったプロダクトも考えていくのも大事だと思っています」と平山さんは語ってくれました。 〈NIPPONIA美濃商家町〉ができてから、止まっていた時が少しずつ動きだしたかのように、若い人たちが訪れるようになり、まちの雰囲気も変わり始めたといいます。暮らしが見えるから、このまちで生活すること、働くことを具体的にイメージしていける。そんなまちづくりがここには根づいてきていると感じました。 information NIPPONIA美濃商家町「UMEMIYA」 住所:岐阜県美濃市梅山1609 TEL:0575-29-6611 営業時間:9:00~18:00 writer profile Naomi Kuroda 黒田 直美 くろだ・なおみ●愛知県生まれ。東京で長年、編集ライターの仕事をしていたが、親の介護を機に愛知県へUターン。現在は東海圏を中心とした伝統工芸や食文化など、地方ならではの取り組みを取材している。食べること、つくることが好きで、現在は陶芸にもはまっている。 【コロカルニュース】とは? 全国各地の時事ネタから面白情報まで。コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。