ギネス記録の『ゼルダの伝説』、なぜ異例の大ヒットになったのか ゲームサイト編集長に聞いたヒットのワケ
■ “敵の強さ”と“難易度”は自分の発想次第 無数の答えから生まれる達成感
三代川:今回から実装された“スクラビルド”という新要素で、落ちている棒と落ちた敵の角を組み合わせるなど、武器も自由に作れる。普段の敵にはその辺にある木と岩で、ちょっと強い敵が出てきたなと思ったら、強敵が落とした角を組み合わせて戦うなど、自分の発想次第で“敵の強さ”と“難易度”が変わる。普通のゲームであれば1つの解法が決まっていたり、もしくは数パターン用意されている中で選んで進めるんですけど、今作では無数に答えが広がっている。「これでよかったんだ」と、自分の発想が認められる感覚、達成感が味わえます。 また、人に言いやすい失敗談も生まれやすくて、「ここでこうなっちゃった」と言ったときに、それが「あー、あったあった!」なのか、「そういうことになるんだー」と反応も様々で、発見の共有が出来るというのは、このゲームならではなのかなと思います。
■謎解き、クラフト、寄り道の強化 ゲーム・オブ・ザ・イヤー候補で「半年近くはまだまだ伸びる」
三代川:(ゲーム自体は)最終的には強大な敵がいて、その先にゼルダ姫を助けるというのがあって、今回もそれは変わらないが、より謎解き、クラフトの楽しさ、寄り道の楽しさっていうのが強化されていて、あまりに広大すぎてみんながゼルダ姫を助けに行かない。SNSなどでもみんながゼルダを忘れてしまうという。私自身もまだプレイ途中ですが、ゼルダを助けに行ってないので、それくらい自分の冒険を楽しんでいます。 『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は少なくともこの半年近くは売れると思います。任天堂のタイトルだと夏休みや年末などにより伸びる傾向にありますし、年末までにその年のゲーム・オブ・ザ・イヤーなどいろんな表彰される機会、露出も増えていきます。現状ではゲーム・オブ・ザ・イヤー候補として名高いので、まだまだ伸びるチャンスはあると思います。
◇◇◇ 三代川 正 ゲーム情報総合メディア『週刊ファミ通』や『ファミ通.com』でゲーム記事などの執筆の他、ゲームイベントの司会や解説なども担当。現在は『ファミ通.com』の編集長を務めています。