ギネス記録の『ゼルダの伝説』、なぜ異例の大ヒットになったのか ゲームサイト編集長に聞いたヒットのワケ
5月12日に発売されたNintendo Switch向けソフト『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』。世界累計販売本数が、発売から3日間で1000万本(うち国内販売本数224万本)を突破し、“最も早く売れた任天堂ゲーム”としてギネス世界記録に登録されました。なぜ、ここまで世界的なヒットを記録しているのか、ゲーム情報総合サイトの編集長に、そのワケを聞きました。 【画像】『ゼルダの伝説 ティアキン』がギネス世界記録を達成
■3日間で世界累計販売本数1000万本 ゲーム業界でも“異例の事態”に
Nintendo Switch向けに開発された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、2017年に発売した『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編となるシリーズ最新作。世界販売本数が発売から3日間で1000万本を突破するのは、これまで過去最高売り上げだった『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に並ぶ記録となりました。 この販売記録に「ゲームソフト1つで1000万本突破ということで、より多くの人に届いたのでは。こうしたことはゲーム業界で日常茶飯事で起こることでは全くなく、ワールドワイドでも400万、500万本売れればかなりの大ヒットで、今回はその倍以上。ゲーム業界でも異例の事態です」と驚いたのは、ゲーム情報総合サイト『ファミ通.com』で編集長を務める三代川正さんです。
■自由な発想を認める“懐の広さ” プレーヤーのガッカリが生まれない仕組み
『ゼルダの伝説』シリーズは、主人公リンクを操作してフィールドやダンジョンに隠された謎を解き明かしながら冒険を進めていくアクションアドベンチャーゲームです。2017年に発売された前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の完全続編となった今作では、ものを動かし付け外しが出来る“ウルトラハンド”や新たな武器を生み出せる“スクラビルド”など、謎解きや敵を倒す際にプレーヤーの自由な発想を後押しする、新たな要素が追加されました。 三代川:(今作では)ウルトラハンドで、とても自由にモノを作れる。組み合わせ次第では、敵を一網打尽にするワナを作れたり、中には自動で動く巨大ロボットを作ったり、そういうものがこぞってSNSなどにアップされている。そういう動画を見て「こんなゲームなんだ」と驚きもありますし、「こんなことが出来るんだ」という発見にもつながって、買ってなかったユーザーにも遊んでみたいと思わせるような相乗効果を生んでいるんじゃないかと思います。 また、ゲームのガッカリ要素って、「これできないんだ」という想像していたものに対して、期待通りのリアクションが来なかったりするという、そういったことがあると思うんですけど、今作はそれがある程度出来てしまう。もし出来なかった場合も「自分の工夫が足りないんじゃないか」と思わせるほど、あらゆる要素が用意されているので、プレーヤーのあらゆる発想の成就、受け入れがあるからこそ、ガッカリが生まれづらいのだと思います。