【解説】豪雨でPFAS流出か…横田基地に立ち入り 「永遠の化学物質」一部は発がん性や子どもの成長に影響懸念 「暫定目標値」問題…法整備が課題
FNNプライムオンライン
東京のアメリカ軍横田基地から有害性が指摘される「PFAS」が漏れ出た疑いで新たな動きです。 防衛省などは20日、基地への立ち入りを実施しました。 中谷防衛相: 地元の皆さまが不安や懸念を抱いていることを念頭に、本日9時から立ち入りを実施をしております。 横田基地では8月の豪雨で、基地内の消火訓練エリアの貯水池から有機フッ素化合物「PFAS」を含む汚染水があふれだし、一部が基地の外に流出した可能性が報告されています。 防衛省など関係省庁と地元自治体は、20日の立ち入りで貯水池周辺を視察し、アメリカ側から説明を受けました。 今後、貯水池の水のサンプル採取が行われる予定です。 改めて経緯を見ていきます。 8月30日に豪雨の影響で基地内の訓練所の貯水池から「PFAS」を含む汚染水があふれ出しました。これが基地外に流出し、1カ月経った10月3日になって米軍が流出を明らかにします。放出から3カ月経った12月20日、ようやく立ち入り調査が行われた形となっています。 横田基地内を巡っては、これまで2010年から2023年の間に「PFAS」の流出は少なくとも7回発生しているということなんです。 いずれも米軍は、基地からの流出を認めていませんでしたが、米軍はこれに対してどのように調査していくかがポイントです。 日米地位協定が1つの壁になってアメリカ軍側と迅速にスムーズに連携して調査ができないという問題がありますよね。そこを何とか、風穴を開けてもらわないと周辺住民は安心して生活できないですよね。 「PFAS」は、全国各地で問題になっています。 そもそも「PFAS」とは有機フッ素化合物で、自然界で分解しづらく蓄積しやすい永遠の化学物質と呼ばれているもので、精密機器の製造やはっ水スプレーなど幅広い用途に使用されています。 ただ、「PFAS」の一部の物質は、発がん性や子どもの成長に影響を与える可能性があったり、その有害性というのが指摘されています。 最近でいうと、岡山でも問題になっていました。 岡山・吉備中央町の浄水場から「PFAS」が検出され、全国で初めての自治体による血液検査が行われました。 2024年3月に環境省が公表したデータによりますと、2022年度、全国の河川や地下水など111地点で暫定目標値を超える「PFAS」が検出されているという状況です。 ジャーナリスト・柳澤秀夫氏: 暫定目標値というのが問題で。これは、数値を超えた場合に公表しなきゃいけないかどうかは、法律で何も決まっていないんです。岡山のケースの場合には、数値が上がっているということは分かったけど住民には知らせてなかったということも住民側から批判が出ていますよね。ですからあくまでも暫定目標値ではなくて法律的にこの数値を超えたらこうしますという法律の整備も併せてやっていかないといけないなと思いますね。
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