「金持ち農家」ほど「早起き」なのにはワケがある…「貧乏農家」が気づいていない5つのメリット
農地法の改正や「地方創生」の後押しにより、今注目を集めている農業ビジネス。『金持ち農家、貧乏農家』の著者で、農業経営コンサルタントの高津佐和宏氏によれば、成功する「金持ち農家」の共通点は「早起きであること」だという。なぜ、早起きがそこまで重要なのだろうか? その理由を5つ、挙げてもらった。 【写真】「金持ち農家」は“みんなと同じもの”を作り、「貧乏農家」はコロコロ変える
「金持ち農家」が早起きな5つの理由
農家の朝は早い。金持ち農家は、飲んで帰った次の日も早起きします。なぜ、金持ち農家は早起きなのか? 今回は農家の早起きについて考えてみます。 農家が早起きの理由 その1 日の出とともに現場に出ることで、朝の涼しい気候を利用して作業ができます。とくに夏場や暑い地域において重要なことです。 その分、お昼の時間にゆっくりと仮眠などをとり、少し涼しくなった夕方から集中して仕事をします。朝が遅いと、朝の涼しい時間帯を有効活用することができません。金持ち農家は、効率よく作業をするために朝早く起きて仕事をスタートするのです。 農家が早起きの理由 その2 日中と夜間では、植物の生理活動に違いがあります。たとえば、日中は光合成が主な活動になりますし、夜間は呼吸作用が主な活動になります。 昼と夜では、水分や養分の吸収の仕方も違ってくれば、光合成で生成した炭水化物を転流させるタイミングも違ってきます。そして、日中と夜間の活動が切り替わるのが、日の出が始まる早朝なのです。 早朝こそ、夜間に行われた生理作用の結果を確認し、植物の成長に必要不可欠な光合成を始める準備ができていることを確認できる時間帯です。毎日、観察することでほんのわずかな違いもわかるようになります。 金持ち農家は、毎日早起きし、早朝の植物の状態を観察することで、より良い農業生産を実現しています。
「金持ち農家」は適期を逃さず収穫する
農家が早起きの理由 その3 収穫作業がメインの時期になると、1日が収穫作業から始まります。収穫をして、出荷調整をし、JAなどの出荷場に持ち込みます。 収穫作業で大事なことのひとつが、適期に収穫すること。収穫が遅れてしまえば、お金にならなかったり、秀品率が落ちて安値になったりします。収穫がピークになればなるほど、早起きして収穫に取り掛かる必要があります。適期を逃さず収穫できるのが金持ち農家なのです。 農家が早起きの理由 その4 残念ながら農業はまだまだ労働集約的な仕事です。1日のうちにできるだけ多くの作業を行う必要があります。夜になってしまうと基本的に作業はできませんので、日中にできるだけ多くの仕事をしなければなりません。必然的に朝早くから作業を始めることになります。 作業遅れが出てしまうとそれを取り戻すことも大変ですが、植物の生育に影響を与えることが心配です。作業遅れの結果、収穫量が少なくなったり、秀品率が下がったりと悪循環になってしまいます。 常日頃から、朝早く作業することに慣れていると、いざという時にもしっかりと必要な作業を必要なタイミングで行うことができます。 金持ち農家はタイミングよく作業するためにも早朝から作業を行うのです。