<万里一空・彦根総合23センバツ>支える人/1 山田光義コーチ 人望が厚い「何でも屋」 /滋賀
18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会に初出場する彦根総合には、宮崎裕也監督(61)をはじめ、野球を通じて選手の人間性を向上させようと尽力する人たちがいる。そんな選手を支える人たちの姿を紹介する。【飯塚りりん】 山田光義コーチ(66)は自身のことを「何でも屋」と称し、いつも選手たちのために動き回っている。 練習でノッカーを務めることもあるが、普段は練習前に2時間かけてグラウンドを整備し、練習中も周囲を黙々と掃除するなど練習の環境を整える。 選手たちからは「光義さん」と親しまれ、人生相談や恋愛相談に乗ることも。寮生を買い物に連れて行ったり、自転車を修理してあげたりと、あらゆる役割を担う。怒ることはめったにないが、生活面は厳しく指導する。 高校時代は県内の強豪・近江でプレー。体力には自信があり、今でも選手と一緒に筋力トレーニングに励み、「筋力だけは負けない」。高校卒業後、社会人野球を経て約40年間、甲良町の職員を務めた。しかし野球への思いは消えず、働きながら小学校のスポーツ少年団や中学生のクラブチームの監督になり、選手を育ててきた。 教え子が県立北大津高で野球部に所属していた縁で同校で指揮を執った宮崎監督と親交があったことや、北村謙知部長が自身の教え子だったこともあり、2年前に彦根総合のコーチに就任した。野下陽祐投手(2年)ら選手たちの中にも監督時代の教え子は多い。「野球の魅力は人と人をつなげてくれるところ。少年の頃から指導してきた子たちが甲子園に向けて頑張っているのを見られるのはうれしい」と目を細める。 「宮崎監督に怒られたら居残りで練習するなど、野球に対して貪欲なチーム。甲子園では日本一になれるように自分も応援していく」とチームの躍進を支える。