平和な世を願って学校の花壇に「アンネのバラ」 三和中2年生が植える
京都府福知山市三和町千束の小中一貫教育校、三和学園の中学2年生13人が、平和の象徴として「アンネのバラ」をこのほど校内花壇に植栽した。戦争のない平和な世の中になるように-と願い、優しく土をかぶせた。 アンネのバラは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツから迫害を受け、15歳という若さで亡くなった少女、アンネ・フランクをしのんで作られた。アンネの父、オットー氏に贈られ、娘の平和を願う思いをバラに託し、世界中の人々に広めた。 日本では綾部市の元高校教員、山室建治さんが親子2代で普及活動を続けていて、山室さんが自宅の園芸ハウスで昨年1月に開いた接ぎ木会に、三和中で三和創造学習講師を務める吉田武彦さんが参加。譲り受けたバラを自宅の庭で1年間大切に育ててから提供した。 2年生は5月に長崎県への修学旅行を控えており、事前学習の一環として、平和について考える機会になればと植栽を企画。作業前にはアンネ・フランクやバラ、山室さんの活動について、吉田さんが生徒たちに説明した。 このあと花壇に移動。あらかじめ掘られた穴に、培養土などを入れて植えた。「平和な世界を実現するために、自分たちができることって何だろう」と思いを巡らせながら、移植ごてで順番に土をかけていった。 真剣に作業する生徒たちを目を細めて見守っていた吉田さんは「アンネのバラをきっかけに、戦争への想像力、平和の創造力を高め、自ら行動できる大人になってほしい」と願っていた。