光化学スモッグって今もあるの?どんな日に注意すればいい⁇気象予報士が解説
光化学スモッグという言葉を聞いたことがあるでしょうか。 「ある!」という人も、「昔はよく聞いたけど最近はあんまり…」という印象かもしれません。 【画像】光化学スモッグって今もあるの?どんな日に注意すればいい⁇気象予報士が解説 ただ、光化学スモッグは現代でも発生することがあり、しかも発生しやすい気象条件が決まっているので、あらかじめ備えることができます。 今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、これからの季節に気をつけたい光化学スモッグについて解説します。
そもそも光化学スモッグって何?
大気汚染物質の一部が太陽の紫外線に反応すると、「光化学オキシダント」という有害物質がつくられることがあります。 空気中でこの物質の濃度が高いと、まるでスモッグ(霧)のように見とおしが悪くなることがあり、「光化学スモッグ」と呼ばれるのです。 つまり名前のとおり、「光(太陽光)」で「化学」的に発生する「スモッグ(霧)」ということなのですね。 現代では高度経済成長期と比べて大気汚染物質が減ったため、光化学スモッグの発生頻度も減ってはいますが、それでもまったくなくなったわけではありません。 というのも、光化学スモッグは気温が高いほうが発生しやすいので、温暖化や都市化によって気温が上昇している現代では、少ない大気汚染物質でも発生してしまうのです。 ちなみに1年中発生するわけでなく、おもに4月から10月にかけて発生しやすくなります。
体にどんな影響があるの?
光化学スモッグの濃度が高い日に外で活動すると、目や呼吸器が影響を受けることがあります。 たとえば目が痛くなったり、せきが出たり、まれに重症化すると手足がしびれたり、めまいや頭痛が生じたりします。 ただ、体への影響は個人差が大きく、まわりの人が何ともなくても、自分だけ症状が表れることも。 また、体の小さい子どもや、ぜんそくの持病がある人は、より症状が出やすい傾向にあります。
どんな日に注意?
光化学スモッグが発生しやすいのは、おだやかに晴れて風が弱く、気温が上がって暑い日です。 つまり、まさにこれからの季節に条件が当てはまりやすくなります。 気象庁では、光化学スモッグが発生しやすい気象条件が予想される日には、「スモッグ気象情報」を出します。 またその情報を受けて、各自治体でも注意喚起の情報を発表します。 「スモッグ気象情報」は気象庁のホームページで見ることもできますし、発表された日にはテレビやネットのニュースや天気予報でも解説されます。