東京女子6・9後楽園で荒井優希のインターナショナル・プリンセス王座に挑戦! “6フィート・オブ・フューリー”LAテイラーとは何者だ!?【週刊プロレス】
東京女子プロレスの6・9後楽園ホール大会ではプリンセス・オブ・プリンセス王座とインターナショナル・プリンセス王座の2大タイトルマッチがおこなわれる。プリプリ王座は渡辺未詩がバート・ビクセン、インター王座は荒井優希がLAテイラーを迎え撃つという、日本人vs外国人の図式になっている。 試合写真
ここで紹介したいのは、初来日となる未知の外国人LAテイラーだ。荒井にとっては長野じゅりあ、上福ゆきにつづく3度目の防衛戦。マックス・ジ・インペイラーから初のシングルベルトを奪い取った荒井だが、「6フィート・オブ・フューリー」の異名を持つテイラーとの闘いは、インペイラー以来となる大型外国人とのシングルマッチ。未知で大型…、王者・荒井に最大級のピンチと言っていいだろう。では、テイラーとはいったいどんなレスラーなのか。 テイラーは身長183センチ(6フィート)、体重90キロ。イギリス南西部コーンウォール州の海沿いの街、ポルツェスで生まれた。子どもの頃にテレビで見たプロレスに夢中になったが、プロレスごっこに夢中になる彼女に対し、両親はプロレスを見ることを禁止した。しかし、友人との「悲しい別れ」を機に好きなことをやろうと決意、レスリングスクールの門を叩いた。そして、2019年9月にローカル団体でプロレスラーデビューを果たしたのである。 とはいえ、大型ながらも周囲からの評価は芳しくなく、再デビューのつもりで鍛え直したという。複数の男子選手やプロモーターをコーチに指導を受け、同時にさまざまなローカル団体に上がり経験を積んでいくと、男子レスラーとも闘うようになった。20年2月にミリー・マッケンジーのリーチ女子王座に挑みタイトル初挑戦。21年11月に空位のSWWウォリアー王座を奪取し初戴冠に到達した。その後、22年7月にはシャンタル・ジョーダンとの王座決定戦でBLW女子王座、同年10月にマライア・メイからSMW女子王座を奪取した。現在はSVOプロ女子王座とリサージェンスタッグ王座の2冠王。リサージェンスタッグは男女混合のタイトルで、テイラーはスカイ・スミットソンとの女子コンビで男子との試合を制してベルトを巻いている。また、ザイヤ・ブルックサイド、ナイトシェイド、リオら来日経験組からシングルで勝利を挙げており、5月6日にはエマーソン・ジェーン(サミー・ジェーン)を破りSVOプロ女子王座を守っている。 「6フィート・オブ・フューリー」のニックネームが示す通り、高身長から繰り出されるパワーファイトがテイラーの持ち味。スパインバスター、エアプレーンスピン、サモアンドロップなどが得意技で、高低差を最大限に利用するスカイハイ(変型シットダウン式パワーボム)がフィニッシャーだ。 デビュー以来、約100試合を闘ってきたテイラー。ここまではイギリスを中心にオーストリアやフランスのリングに上がってきた。ヨーロッパ以外で試合をするのは今回の来日が初めてとなる。そこでいきなりのタイトル挑戦。しかも王者が“SKE48”の荒井優希。「アイドルスター」と闘うのは初めてだ。 「アイドルだろうがなんだろうが、防衛を重ねているのは彼女がファイティングチャンピオンってことでしょ。そこは警戒して臨まないと。ユキにとって私との闘いはユニークなチャレンジになるでしょうね。コーニッシュ(コーンウォール人)の誇りを持って、指導してくれたコーチや母国のプロレスの歴史から引き継いだスキルを披露したい。身体の大きさを利用して、必ず彼女を圧倒してみせるわよ」 初来日の第1戦でタイトル奪取をもくろむテイラー。ベルトを死守したい荒井も5・6後楽園でデビューから100戦を超えた。試合数ならちょうど同じくらいという者同士の一戦。同様の図式からメインのプリプリ王座戦とも比較されるだろう。そういった意味からも、6・9後楽園は楽しみである。(新井 宏)
週刊プロレス編集部