【政策振り返り】和歌山2区は無所属・世耕弘成氏が”地域密着”で当選 自民党・二階伸康氏を破る 製造業&農林水産業の保護を掲げ
第50回衆議院選挙の投開票が2024年10月27日に行われました。自民党と自民党の与党が過半数割れし、激震が走っています。 ◆【写真】無所属・世耕弘成氏はなぜ勝った?二階伸康氏との政策比較 10月1日に就任したばかりの自民党・石破茂首相が早くも窮地に立たされています。 今回の衆院選では、政治改革や経済対策、外交、子育て支援など、さまざまなトピックが争点となりました。 和歌山県第2区(和歌山市、紀の川市、岩出市以外の和歌山県全域)では、自民党を離党した無所属新人の世耕弘成元経産相が当選を果たしました。 自民党・二階俊博元幹事長の三男で、父の地盤を引き継ぎ、同党から立候補した二階伸康氏は約3万票差で敗れました。比例での復活当選もなく、落選となりました。 そこで今回は、世耕弘成氏、二階伸康氏の情報を振り返ります。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
和歌山県第2区候補者・世耕弘成氏の基礎情報
参議院5期当選の世耕氏は、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。日本電信電話株式会社に入社し、アメリカのボストン大学コミュニケーション学部大学院留学経験もあります。 1998年の参院補欠選で自民党から出馬し初当選。経済産業大臣、内閣府特命担当大臣(原子力経済被害担当)、参議院幹事長、国際博覧会担当大臣などを歴任してきました。 今回の選挙には、地方における人口減少に歯止めをかけるべく、「和歌山から日本を再起動」を掲げ、地域密着の政策を掲げました。 製造業の国内回帰の支援、農林水産業と観光業の高付加価値化で、高賃金の雇用を多数創出し、Uターン就職や移住者の増加を図ることを挙げています。 また地方の医療環境の充実や、次世代型製造業での活躍を目指す若者に向けた教育環境の整備も盛り込まれました。 自民党を離党して無所属から衆議院に鞍替えし、10万1739票を集めて当選をもぎ取りました。
世耕弘成氏が掲げる製造業の国内回帰の支援について
近年、地政学リスクなどを理由に製造業の国内回帰を求める声が大きくなっています。世耕氏も円安状態の今こそが国内回帰を促進するチャンスだと捉えています。 経済産業省などが発表した「2023年版ものづくり白書」によると、直近1年間で生産拠点の移転を行った企業の中では、中国からの国内回帰が100社に上っています。一方でASEAN諸国、韓国では、新規移転数が国内回帰数を上回っています。 国内回帰の理由としては新型コロナへの対応や為替変動が上位で、海外移転の場合は人件費上昇や労働者の量が上位に挙がっています。 国内は新しい技術や製品を生み出す拠点と考える企業が多く、国内拠点を維持・拡大するために人材確保を求めている製造事業者が大半。国内回帰の推進には人手不足の是正が大きな課題となっています。