森保Jがアジア杯決勝Tで因縁のサウジアラビア戦を勝つためのポイントとは?
因縁の相手――。そう言ってもいいだろう。とりわけアジアカップにおいては、そんな印象が強く残る。ラウンド16の相手、サウジアラビアのことだ。 3戦全勝でグループステージ突破を決めた日本はアジアカップで“またしても”この中東の雄と顔を合わせることになった。 現代表監督の森保一がボランチを務め、初優勝を飾った1992年大会。そのファイナルの相手が他でもないサウジアラビアだった。二度目の戴冠を果たした2000年大会ではグループステージ初戦と決勝、二度も顔を合わせ、2007年大会では準決勝でぶつかり、2-3と苦杯をなめた。日本が四度目の優勝を飾った2011年大会ではグループステージ第3戦で対戦して、5-0と粉砕している。 それだけではない。最近ではロシア・ワールドカップのアジア最終予選で同組となり、2016年11月のホームゲームは2-1で下したが、2017年9月のアウェーゲームでは0-1とリベンジされた。 「互いに監督も代わっているので、前回の試合を比較素材にするのは難しいかな」 そう語ったのは、当時出場していた吉田麻也である。キャプテンはさらに続ける。 「僕らは(その6日前の)オーストラリア戦で予選突破を決めていて、移動や気候の変化もあって、短い時間でアジャストしなければならなかったりした。だから、今回の試合で参考にするのは違うかなと思う」 吉田が指摘するように、日本代表の指揮官はヴァイッド・ハリルホジッチから西野朗、そして森保へと移り、サウジアラビアの指揮官もベルト・ファン・マルバイクからエドガルド・バウサ、そして、フアン・アントニオ・ピッツィへと代わった。メンバーも戦術も大きく異なる。 ただし、まったく参考にならないわけではない。アウェーゲームで奪われた決勝点は、途中出場のファハド・アルムワラドによるものだった。当時スーパーサブで、サイドアタッカーの印象が濃かった24歳はワールドカップを経てエースに成長し、今大会ではセンターフォワードを務めている。 「スピードモンスターですよ、あれは。メチャクチャ速いんでね」 そう語ったのは、長友佑都である。身長166センチと小柄で、スピードと敏捷性に優れたタイプ。ドリブル突破と裏への抜け出しに優れ、強靭な足腰に支えられた豪快な一撃も秘めている。その小柄ながらがっちりとしたフォルムやプレースタイルは、2007年大会の準決勝で川口能活の守るゴールを二度も破った、マレク・マーズを彷彿とさせる。