舞台は、ほぼマンションの一室 予測不能なスリラー『スリープ』
ニッポン放送「ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町」(日曜朝5時~)で、おススメの最新映画をご紹介しているコーナー『サンデー早起キネマ』。6月23日は、3つの国の、形は違えど“愛の物語”をご紹介。 その3本のうち1本は、韓国。チョン・ユミとイ・ソンギュン。息の合った実力派キャストが見せる予測不能なスリラー『スリープ』。
出産を前に、幸せな結婚生活を送るヒョンスとスジン。部屋には「二人一緒なら何でも克服できる」という家訓が飾られています。 ある夜、隣で寝ている夫ヒョンスが突然起き上がり「誰か⼊ってきた」と呟きます。その呟きに呼応するように家を覆い尽くす不穏な気配……。 翌朝、下の階に引っ越してきた住人から「明け方の騒音が1週間も続いて、我慢できない」と言われますが、全く身に覚えがありません。 少しの違和感を抱きながら夜を迎えたその日から、眠りにつく度にヒョンスは人が変わってしまったかのようにおかしな行動を繰り返すようになります。血が出るほど頬を掻きむしる。冷蔵庫の生肉や生魚を丸呑みする。窓から落ちんばかりに身を乗り出す……その異常な行動は日を追うごとにエスカレート。 得体の知れない“それ”に恐怖を感じ、怯えながら夜を過ごす夫婦は睡眠クリニックを受診しようと決意しますが、スジンは母から超自然的な力に頼るべきだと、巫女から授かった御札を渡されます。 果たして “それ”は医学で克服できるものなのでしょうか、それとも……。
夜が訪れる恐怖に怯える妻スジン役は、『82年生まれ、キム・ジヨン』などで、その確かな実力を示してきたチョン・ユミ。今までにない新たな一面に驚かされました。 無意識の異常な行動をきっかけに、眠ることに恐怖を抱く夫ヒョンスには、毎回幅広い演技に納得させられる『パラサイト 半地下の家族』のイ・ソンギュン。去年12月に48歳の若さで亡くなった後、初めて日本で公開される作品。本当に残念でなりません。